米レッドハット、SistinaソフトのソースコードをGPLライセンスで公開

米レッドハットは6月24日、5カ月前に約3100万ドルで買収を完了したストレージ管理ソフトウェア・ベンダー、システィナ・ソフトウェア社の独自ソフトウェアすべてのソースコードを、GNU GPL(General Public License )方式のオープンソース・ライセンスのも とでリリースした。

そうした旧システィナのソフトウェアには、ファイルシステム「Global File System ( GFS)」のほか、分散型ロック管理ソフトウェア、会員制サービス・ソフトウェアが含まれる。また、レッドハットはシスティナの論理ボリューム管理システムをクラスタに対応さ せたバージョンを開発中であり、2005年の初旬にそのリリースを予定している、とレッド ハットのストレージ・サービス担当ディレクター、マット・オキーフ氏は語っている。 オキーフ氏によると、Global File System (GFS)は、ストレージ・エリア・ネットワーク(SAN)上に格納されたデータへのアクセス権を最大300台のLinuxサーバに与えることができ、従来は電子メール・サーバ、Webサーバ、ファイル・サーバ用に、また、Oracle 9i RAC (Real Application Clusters) とともに使用されてきた。

GFSはもともと、ミネソタ大学でオキーフ氏を含む研究者たちによってオープンソース ・ソフトウェアとして設計されたが、2001年に、彼らが大学を離れてシスティナ・ソフトウェア社を設立した後でプロプライエタリ・ソフトウェアになった。

開発者たちはその後も、オープンソース版のFSの開発作業を「OpenGFS」というプロジ ェクトで続けてきたが、レッドハットでは、それら2つの開発プロジェクトを統合して一本化したいと考えている、とオキーフ氏は述べた。

OpenGFSの開発者たちとレッドハットのエンジニアたちは、7月25日の週にミネアポリス で会合し、 GFSとOpenGFSの統合計画を練る予定という。「私たちは、これをコミュニティ・プロジェクトにしたいと考えている」(オキーフ氏)

レッドハットがシスティナを買収して以来、そのGFSはサーバ当たり2200ドルで販売さ れてきた。一方、オラクルが2002年にオープンソースのファイルシステムを「Oracle Cluster File System」の名でリリースしており、同年からレッドハットを通じても提供されているが、Oracle Cluster File Systemがオラクルのデータベース専用に設計されているのに対し、「GFSは汎用のファイルシステムだ」とオキーフ氏は語っている。

しかし、オラクルが同じ分野の製品をすでに提供していることで、レッドハットがオラクルのファイルシステムではなくGFSを導入するようオラクル・ユーザーを説得するのは大変かもしれない、と米IDCのアナリスト、ダン・クスネツキー氏は語っている。

一方で、レッドハットがシスティナを買収した時からGlobal File System (GFS)のオープンソース・リリースは約束されており、GNU GPL(General Public License )ライセンス方式を採用したのも「予期されていたこと」だ、とクスネツキー氏は述べている。「これがレッドハットのアプローチだ。同社はGPLソフトウェアにこだわっているようだ」
(IDG News Service)