オープン・アジア:モンゴル、ネパール、パキスタンのオープンソース

先週に引き続き、アジア諸国におけるオープンソースソフトウェアの利用状況を国別にレポートする。今回はモンゴル、ネパール、パキスタンを取り上げる。

モンゴル

GNOMEでは、各国語のランク付けが、非英語言語への翻訳の割合に基づいて行われる。2003年1月末、モンゴル語がこの言語ランクの15番目(Supportedレベル)に飛び込んできた。Sanlig Badral、Ochirbat Batzaya、Tegshbayar、Bayarsaihanらで構成されるモンゴル語翻訳チームが、少なくとも11,455のメッセージ(95%以上)を翻訳した。チームがGNOME翻訳の作業に取りかかってから1か月も経っていない。GNOMEチームのランク付け担当者は「信じられない!」と賞賛し、他の国でGNOME翻訳に取り組んでいるコミュニティに奮起を促した。

ネパール

ネパールでは、Ganesha’s Projectが、寄付されたマシンとLinuxなどのオープンソースソフトウェアを使って、予算のない学校のシステムのソフトウェアライセンス購入費を切り詰めている。ネパールのオープンソースについては、Linux Nepalと Nepal Linux User Groupからも情報が得られる。

パキスタン

パキスタンは、FLOSSの重要性が、高級官僚と草の根の活動家の両方によって綿密に研究されている国だ。

最近、パキスタン科学技術省(Ministry of Science and Technology)顧問Salman Ansariは、低価格のコンピュータ50,000台を全国の学校や大学に設置する可能性に言及した。マシンはPentium IIコンピュータになる見込みで、コストは1台100米ドル以下ということだ。これらのPCにプロプライエタリソフトウェアをインストールすると、莫大な費用がかかる。コンピュータのコストを上回ることは確実だ。GNU/Linuxを使えば、全体のコストを抑えることができる。「パキスタンが、すべての(行政)サービスをGNU/Linuxベースにすると宣言する世界初の国になったとしても、驚かないでください」と、Ansariは熱く語った。

昨年も、NewsForgeは、Linuxがパキスタンに根をおろしていることを報告した。

パキスタンでは、2つの興味深いプロジェクトも進められている。Video-Whale Projectは、GstreamerとXineramaの機能を利用するビデオウォール・プログラムである。 Video-Whaleを使うと、1台のマシンが4台のモニタを制御し、4台のマシンのLANがモニタ16台のビデオウォールを制御できる。

Fawad Halimによって書かれたPHPのmanインタフェースのコードが、GNU GPLに基づいて配布されている。

中心的存在のPakistan Linux Users Communityのほかにも、Indus ValleyのSindh州HyderabadのSindhi’s Linux User Group(SLUG)などの地域 LUGがある。