GaimのIMサービスを使用する
痛手を受けているIMクライアントはGaimだけではない。Yahoo!は最近のソフトウェア変更により(全部ではないにしても)大部分のサードパーティ・クライアントに対してYahoo! Messengerサービスへのログインをわざと遮断したのだ。しかし、諦めることはない。Gaim 0.70が登場したからだ。
バージョン0.70を使用すれば、Yahoo!の変更によって生じた遮断が回復する。しかし、あらかじめ断っておくが、Gaimのサイトでは、いったん再接続したらログオフしないよう勧めている。Yahoo!がサードパーティのクライアントを締め出そうとして変更を繰り返さないとも限らないからだ。
現在、Mandrake 9.1およびRed Hat 8.0用のGaim 0.70のバイナリRPMパッケージがGaimのダウンロード・ページから入手できる。もちろん、ソース・コードは完備している。
9月の中ごろNetwork Worldに掲載された記事によれば、Yahoo!は不躾なIMによるユーザのスパム行為を防ぐための措置を講じたのだという。
Gaimのサイトには次のような記述がある。「Cerulean Studiosの友人たちは、Yahooの認証方式をクラックした私のスピード記録を見事な離れ業でまんまと破ってみせた。彼らはそれを送ってよこし、こうしてGaim 0.70に結実した。とはいえ、この認証方式の詳細はサーバが送ってくるチャレンジ文字列に依存するし、Yahooが新しいチャレンジ文字列を送信し始めるまで、それを知ることは不可能だ。だから、また遮断が起きる可能性がある。私があなただったら、オフラインにしないだろう」
Cerulean StudiosはWindows用のマルチネットワークIMクライアントを2つ用意している。TrillianとTrillian Proだ。Trillianは無料で、Trillian Proは$25で販売されている。
Windows専用のプロプラエタリ・ソフトウェア・プロジェクトがLinux系フリー・ソフトウェアの問題解決に手を貸していると知って私は驚き、なぜそうするのかCeruleanに質問を送ってみた。Scott Werndorfer氏(1998年にKevin Kurtz氏と共にCerulean Studiosを創設した人物)からの返事には次のように書かれていた。「私たちはGaimチームとずっと仲良くやってきたし、以前こちらが助けられたこともある。いつもできるだけ情報交換しているのだ」
フリー・バージョンの利用に何かオープンソース・ライセンスがあるのかWerndorfer氏にたずねたところ、彼の答えはこうだった。「いや、私たちはクローズドソース・ショップだが、Trillianは膨大なAPIを持っている。バックエンド・コーディングという退屈で骨の折れる仕事を私たちに任せて、開発者たちはTrillianで新しいチャット・ネットワーク用のプラグインなどを作成すればよい」
締め切り時間までに、Yahoo!のスポークスマンから変更についてのコメントは得られなかった。
私は今朝Unix tarボールを手に入れ、午後には思わずYahoo!バディにまた連絡をとっていた。irc.freenode.netの#gaimチャネルのiamthelukasから若干の助けを借りて、設定上の問題に引っかからずに済んだ。
Joe Barr――IT分野のライターとして10年(Linuxについては5年)の経験を持つ。IBM Personal Systems Journal、LinuxGazette、LinuxWorld、Newsforge、phrack、SecurityFocus、VARLinux.orgなどに掲載記事多数。Linux Liberation Armyの公式ニューズレター、The
Dweebspeak Primerの生みの親でもあり、同組織では終身伍長の名誉職にある。