SunNetworkで明らかにされたJava Desktop SystemとStarOffice 7

9月16日、Sun Microsystemsは今日Java Desktop Systemを正式に発表するはずだ。これはLinuxベースのデスクトップとアプリケーション・スイートであり、前のSunNetwork Conferenceの冒頭の基調演説で「Mad Hatter」というコード名が付けられたものだ。

SunはStar Office 7とJava Enterprise Systemも発表するだろう。Star Office 7には統合PDFエクスポートとMS Officeマクロのサポートが含まれている。Java Enterprise Systemには管理コンソールが含まれており、Java Desktop Systemが動作しているマシンを管理者が非常にきめ細かくリモート・コントロールできるようになっている。

Sunは推奨開発プラットフォームがJavaのISVプログラムも発表するだろう。SunのデスクトップはGnome 2.2の上に築かれ、Sunのデスクトップ・ソフトウェア・エンジニアリング担当副社長のCurtis Sasakiが「フル・スタック」と呼んでいたものを提供する。これはXベースのデスクトップで、オープンソース・コミュニティとSunによって開発された生産性アプリケーションとウィジェットを備えている。

Sunはこのデスクトップを大企業や大きな教育機関に1人あたり50ドルで販売するつもりでいるが、ホーム・ユーザやLinux愛好者を相手にする気はないらしい。Java Desktop SystemはLinux、Solaris、Solaris x86、およびSun Rayシンクライアント・マシンで動作する。

Java Desktop SystemはたいていのLinuxディストリビューションで動作するはずだが、Sasakiによれば、SunのインストーラCDは最新のSuSE Linuxディストリビューションを使用するそうだ。Sunで金曜日に行われたデモで、SasakiはMozillaやEvolutionなどのデスクトップ・アプリケーションをSun OneおよびWindowsのネットワークサービスに統合するためにSunが行ってきた作業の成果を示した。たとえば、LDAPウィジェットから引き出したディレクトリ・リスト中の特定の名前をクリックすると、アドレスがあらかじめ設定されたEvolution電子メールが表示される。Sasakiによれば、SunはデスクトップがPocketPCなどの外部デバイスと同期することも示してみせるそうだ。

Sasakiによると、SAPとComputer Associatesは新しいStar OfficeスイートとJava Desktop Systemを自分たちのアプリケーションに統合するための作業を行ってきたという。また、SunはAdobe、Macromedia、Real Networksとの関係についても発表するだろうとのことだ。

Sasakiによると、Linuxデスクトップは、Sunが大企業の特定のニッチに向けて統合システムとサービスを提供する全体論的なアプローチの一部であるという。彼は小売業を引き合いに出し、Microsoft製品のコストが問題になっているのは政府機関や大規模な教育機関だけでなく、小売業でもリモート・システムの管理が高くついて問題化していることを指摘した。Sasakiは、中国、韓国、ドイツ、ブラジルなど、Microsoftへの依存を減らしたがっている各国の政府が大いに関心を寄せていることにも触れた。

Sasakiが言うには、SunはStar Officeを一部の教育機関に無料で配布するそうだ。また、SunはVOIPとJava Desktop Systemとの統合も行うので、シンクライアント・ユーザはアプリケーション、電子メール、および電話を、自分がそのとき使っているマシンに転送させることになるという。Sunのシステムは128ビット暗号によるインターネット経由でのリモート・シンクライアントのサポートも行う予定だ。Sasakiによれば、大企業のクライアントはいまだにOS/2やWindows 95をかなり使用しているそうだ。

IBMとMicrosoftがこれらの製品に対するサポートを打ち切ろうとしている現在、一定のセグメントにとってはJava Desktop Systemが魅力的な代替品となるだろうとSasakiは見ている。彼が言うには、ある顧客は危険なワームやウイルスの攻撃に遭っても会社の重要な機能が持ち堪えられるよう、自社のシステムの20%をMicrosoft以外のものに切り替えることを検討しているそうだ。NovellやIBMなど、オープンソースが企業の中で重要な位置を占めることになると信じているITプロバイダはますます増えつつあるが、Sunは製品ラインにJava Desktop Systemを加えることで、これらの企業と共同歩調をとろうとしているように見える。

Chris Gulker──シリコンバレーに拠点を置く、フリーランスの科学技術ライターで、1998年から130点以上の記事とコラムを書いている。彼の仕事場には7台のコンピュータとオーストラリアンシェパードと灰色の小さな猫がいる。