製品レビュー:Sharp Zaurus SL-5600
このZaurusでは、カレンダ、アドレス帳、ToDoリスト、電卓、メモパッド、ボイスレコーダ、マルチメディアプレイヤという、個人情報を管理する基本ツールをすべてQtopiaアプリケーションの環境にまとめて提供している。WebブラウザにはOperaのバージョン6を使い、Microsoft WordとExcelに互換のHancom WordとHancom Sheetがバンドルされている。ゲームも7種類用意されているが、私のお気に入りであるReversiとMancalaは含まれていない(ハンドヘルドデバイスで時間を潰すのにちょうどいいのだが)。
Zaurusのスクリーンレイアウトは非常に直感的で、限られたスペースが有効に利用されている。ただ、右端のスクロールバーが必要以上に太い点が気になる。スクリーンの下部にある小さなアイコンをクリックすれば、オープンアプリケーションの間を移動することができる。
デスクトップコンピュータとの同期は、標準の方法で簡単に行うことができる。USBポートでデスクトップに接続したクレードルにデバイスを置き、クレードルにあるボタンを押すだけで、なんと、デバイスが勝手にアドレス帳やカレンダ、ToDoリストのデータを、Microsoft Outlook、Palmデスクトップ、あるいはQtopiaのデスクトップの情報と同期をとってくれるのだ。奇妙な話だが、LinuxベースのPDAであるにもかかわらず、Linuxデスクトップ用のソフトウェアはない。Sharpは購入ユーザをWindowsユーザと想定したらしい。ファイル転送は同期操作手順の一部としてではなく、即座に行われる。これには私も驚いたが、考えてみれば理にかなった便利な機能である。1つ2つのファイルをデバイスに移動するためだけに、完全な同期操作を実行する必要はないからだ。
Zaurusにアプリケーションをインストールするのは簡単だ。私はOpieReaderというブックリーダをダウンロードし、これをデバイスに移動させてから、Add/Remove Softwareを使ってインストールしてみたが何も問題なかった。かなり豊富なアプリケーションを入手できるhttp://killefiz.de/zaurus/や、それほど種類は多くないがzaurus.loveslinux.com、あるいは商用の製品を集めたtheKompany.com などを利用するとよいだろう。アドオンアプリケーションはipkgフォーマットでパッケージ化され、.ipkという拡張子のファイルで提供される。
アプリケーションは、カーネルバージョン2.4.18のLinuxをベースとしたEmbedix Plus PDAの上で動作する。これは機能が豊富で、高度にカスタマイズ可能なLinuxだ。製品に付属のインストールCDからターミナルアプリケーションをインストールすれば、ターミナルコマンドを入力することもできる。つまり、完全なLinuxマシンというわけだ。
ハードウェア仕様はかなり魅力的だ。プロセッサには400MHzのIntel Xscaleを使用する。このプロセッサの速度は前機種のSL-5500の2倍だ。体感速度では、Hewlett-PackardのiPaq 3835(CPUは206MHzのStrongARM、OSはPocket PC 2002を使用)と同じくらいだろうか。96メガバイトという十分過ぎるほどの内部メモリを備え、メモリカードの拡張スロットもSecure Digital用とCompactFlash用の2つを装備する。バッテリーには1700mAhのリチウムイオンを使用しているので、かなり多用してもまる1日くらいは大丈夫だろう。だがそれ以上になると充電が必要だ。240×320のバックライトスクリーンにより、65,536色の画像が鮮明に表示される。
画面の下には、見慣れた4つのハードウェアボタンがあり、これを使ってアプリケーションを起動することができる。起動するアプリケーションは変更が可能だ。また、ホームボタンは5つのホームスクリーン(利用可能なすべてのアプリケーションとファイルマネージャの画面)を順に表示し、使用したいアプリケーションに移動することができる。カーソルはセレクトボタンを囲むリングを押して移動させる。このカーソルキーの右にはOKボタン、左にはCancelボタンがあり、Cancelボタンの方はOn/Offスイッチと共用になっている。
Zaurusには、デバイスの下部を手前にスライドさせて使用する、RIMのBlackBerryと同様の小さなキーボードが備え付けられている。このキーは素早くタイピングするには小さすぎるようだ。スクリーン上のキーボード画像から、文字をスタイラスで選んだ方が早く入力できる。しかも、タッチスクリーン上でスタイラス(または指のつめ)を使って多くの操作をしなければならないのだから、このキーボードはあまり意味がないように思われる。1つだけ、文書の編集に便利だと思ったのは、シフトキーを押したまま長い文章の末尾をタップすると、その部分がまとめて選択され、整形や削除が簡単にできることだ。
Zaurusには、Pocket PCデバイスに対抗する(そして、PalmOSデバイスを徹底的に打ち負かした)独自の機能や特徴があるため、どのPDAを購入するかを決める際には、潜在的なユーザの主観的な反応を参考にするのがよいだろう。Zaurusのフォルムについて言えば、iPaqよりもわずかに横幅が狭く縦長であり、持った感じが非常によい。またハードウェアボタンのレイアウトなどは、これまで試したどのハンドヘルドデバイスよりも使いやすいものだ。だが、Pocket PCプラットフォームであれば、さまざまな種類のブックリーダを選択できるし、サードパーティ製のアプリケーションもより豊富に利用できる。
Zaurus SL-5600の表示価格は499ドル、店頭価格は445ドルほどで、Pocket PCの新機種と同程度の価格帯となっている。私はSharpがキーボードとメモリ拡張スロット(いずれか1つ)を外し、802.11bのネットワークアダプタを追加したローエンドのZaurusを、思い切った価格で提供するまで待ちたいと思う。このようなネットワーク仕様のハンドヘルドデバイスが発売されれば、喜んで購入する人も多いのではないだろうか。