SuSE 8.2――入門者にはMandrakeよりお勧めか?

SuSE Linux 8.2 Professionalを使い始めて2週間になるが、今までのところ、これはLinuxデスクトップの理想に近いと感じている(そう言ったのは私が初めてでないことは承知しているが、もう一度同じことを言ってもバチは当たらないだろう)。むろん、すべて完璧というわけではないし、私がたった1台のラップトップで経験したことが、読者のハードウェアにそのまま当てはまるとは限らない。しかし、これはSuSEの中で私が初めて本当に気に入った――短期間でも自分の「仕事用」マシンで使い続けている初めてのバージョンである。

現在私が使用しているラップトップは東芝Satellite 1410-S173で、Windows XP Professionalがプリインストールされていた。私は、Microsoft Internet Explorerを使ってOSDNのサイトをチェックできるように、Windowsパーティションを少しだけ残しておくことにした。MozillaにあってInternet Explorerにない多くの優れた機能にまだ気付かない読者がいるかもしれないからである。

Windows XPを残しておくために、まずハードディスクのNTFSパーティションのサイズを元の(ハードディスク全体の)サイズの3分の1程度に縮小した。Mandrake 9.1のときと同様、これはクリック1つで済む簡単な作業だった。SuSEとMandrakeのどちらも、Windows 2000/XPとLinuxのデュアルブート・パーティションの問題を克服しており、今ではごく日常的な作業になっている。結構なことである。

次に、SuSEのインストールに取りかかった。作業は平穏無事に進んだ。私は、始めから終わりまですべて「デフォルト」を選択した。ビデオ・カード、モニタ、ネットワークなどの機器をセットアップするかどうかをたずねる画面が表示されたときは、[autodetect]をクリックするだけで、後は傍観していた。SMC無線ネットワーク・カードやEpson 777iプリンタを含めて、すべての機器が自動検出された。唯一、内蔵の(Win)Modemだけが自動的にセットアップされなかった。おそらく動かす方法はあるのだろうが、何も考えずにLinuxできちんと動くPCMCIAモデムが手元にいくつかあるので、いずれその気になるまでLinmodemの設定は見送ることにした。

画面の求めに応じてパッケージ・アップデートの自動ダウンロードを選択すると、パッケージ・アップデートが自動的にダウンロードされて、問題なくインストールされた。しかも、その中には――これは特筆すべき点だが――ライセンス上の制限によってほとんどのLinuxディストリビューションでは直接パッケージできないMicrosoft TrueTypeフォントが含まれていた。

アップデートされたパッケージの中で1つ問題を起こしたのは、3D NVidiaドライバである。パッケージCD-ROMからインストールされた汎用の2Dドライバよりも、このラップトップには適していると判断されたらしい。しかし、それは誤りだった。実際には、ドライバがインストールされた後で最初にリブートすると、Xが動作しなくなっていた。私はすぐに「フェイルセーフ」モードで再起動した後、変更されたドライバを元に戻した。

基本インストールについては、それですべて終了した。サウンドとプリンタ、オーケー。自動的にインストールされたMozillaのプラグイン、オーケー。たくさんのきれいなフォント、オーケー。すてきな最新版のKDE、オーケー。

実際のところ、多くの東芝製ラップトップで悩まされる既知のキーボード・バグを解決するために苦労する必要さえなかった。Mandrake 9.1(および以前のバージョンのSuSEや、おそらくほかのすべてのディストリビューション)と違い、ありがたいことにSuSE 8.2ではこの問題がまったく起きなかった。

さて、仕事に取りかかろう

と言いたいところだが、まだ少しだけやることがある。もし私が入門者だったら――あるいは、おそらく普通にLinuxを使いこなしているユーザだったら――OpenOffice、Mozilla 1.2.1、および基本機能のKWriteエディタで十分満足していたに違いない。けれども、私は細かいことにこだわる、凝り性でわがままな人間である。ともかく習慣だからという理由だけで、いくつか使用したいお決まりのパッケージがあるのだ。

SuSEのデフォルトのパッケージの中で、まず気に入らなかったのがMozilla 1.2.1である。日常の使用には、多くの点で1.3とほとんど違いはないが、私は1.3のスパム・フィルタをこよなく愛しており、Mandrake 9.1でその便利さを味わってからというもの、それなしではいられなくなっている。SuSEの「公式な」Mozilla 1.3のパッケージは見あたらなかったので、汎用のMozilla 1.3をオンラインで探し回る必要があった。と言っても別段難しいことはなく、Googleで検索を開始して1分後には、Mozilla 1.3のRPMをダウンロードしてインストールすることができた。

私は、SuSEのYaST2によって、この「外来の」RPMが難なくインストールされ、SuSEの「リンカ・キャッシュ」でセットアップされる様子に感銘を受けた。一部の純正主義者たちは、Microsoftの嫌われ者であるWindowsレジストリの模倣だとしてYaST2を嘲笑しているが、私には申し分なく機能しているように見える。SuSE 8.1に付属していたものを含めて、私は以前のバージョンのSuSEのYaST管理ツールには必ずしも満足していなかったが(さまざまな点できちんと動かすことができなかった)、SuSE 8.2に付属するYaSTは、要求した処理をすべて問題なくこなしてくれている。画面を見ただけではよくわからなかったいくつかの機能については、オンライン・ドキュメントと、箱入りセットに付属する紙のマニュアルでわかりやすく説明されていた。これらは、ディストリビュータが製作したユーザおよび管理者用のLinuxガイドとしては、私がこれまで見てきた中で最もよくできており、内容が最も充実している。

結論を言えば、特に大きな問題もなく、すべてを望みどおりの形でインストールしてセットアップすることができた。ただ1つ、これはやや新しいラップトップを持っている人以外には無関係だが、私はバッテリ・モニタを正しく動かすことができなかった。マニュアルやSuSEのオンライン・サポート・ベースも調べたが、この問題の解決に役立つ情報は何も見つからなかった。これはたいした問題ではない。私は99パーセントの時間、ラップトップをAC電源で使用しているからだ。このラップトップの完全充電した定格のバッテリ寿命は2時間少々あるし、画面が消えても正常に復帰する(Mandrake 9.1では、このラップトップでそのようなことは起きなかった)。また、ジャーナリング・ファイルシステムがあれば、突然のシャットダウンもたいしたことではない。MandrakeとKnoppixは、どちらもこのラップトップの電源管理を正しく制御できるようである。SuSEにそれができないことにはがっかりしている。しかしその一方で、東芝の「キー・バウンス」の問題[訳注:一度キーを押しただけで複数の文字が入力されてしまうという問題]がSuSEで生じなかったことには満足している。おそらく、良い点を数え上げるべきなのだろう… たとえば、SuSEでは、クリック1つで自分のWindows XPのすべてのファイルにアクセスできるデスクトップ・アイコンが自動的に作成された。Windowsを(先ほど述べたように、Internet Explorerのテスト以外に)使用しない私にとっては、これは「だから何だ?」という程度の機能でしかないが、Windowsで保存した重要なファイルにLinuxからアクセスしたいユーザにとっては、これはちょっとした便利な機能である。

メニューとデスクトップの外観

私は、SuSEのデフォルトのメニュー構造でグループ化されるアプリケーションの配置が好きではない。考えてみれば、Mandrakeやその他のディストリビューションでもこの点は変わらない。結局、いつもメニューをすさまじい勢いでカスタマイズする羽目になる。しかしありがたいことに、KDEではこの「かつては面倒だった」作業が、3.xで非常に簡略化されている。パネルのメニュー・アイコンを右クリックし、[Menu Editor]をクリックするだけで、後はすぐにわかるしくみになっている。

メニューを自分の好みに合わせてセットアップし、美しい壁紙を貼り付けたり、頻繁に利用するアプリケーションのアイコンを画面下のパネルに配置したりといった個人的なデスクトップの変更を行った後は、ほかに何も変更する必要はなかった。私のデスクトップは――今もそうだが――まさに望みどおりの状態になり、そのための手間も最小限で済んだ。

日々の使用

SuSE 8.2に関して私が最もすばらしいと感じているのは、作業中にその存在に気付かないことである。私は(1.3で爽快なほどスパムから解放された)Mozilla Messengerでメールを読み書きし、Bluefishで――このような――オンライン記事を執筆し、作業の過程で扱わなければならないMicrosoft Office形式の資料をOpenOfficeで処理し、MozillaでWebをブラウズしながら(たいていは)ラップトップに接続した高出力のAltec外部スピーカ・システムを通じて、XMMSでお気に入りのMP3を聴いている。インスタント・メッセージのやりとりにはGAIMを使い、XChatでIRCに参加している。そして、特に意識もせずにUSBプリンタを使用している。[print]をクリックすると、CUPS経由で用紙が出力される。どれもわけなくできるが、1つだけ小さなコツがある。それをここで紹介しておこう。

MozillaとStarOfficeからCUPSを使って印刷する

既に述べたように、私は「非SuSE版の」Mozillaをダウンロードしてインストールした。また、手元にあったStarOffice 6.0もインストールした。こちらの方がOpenOfficeより若干高機能なフィルタ(と多くのテンプレート)を備えているからである。

どちらのアプリケーションも、現在ではSuSE、Mandrake、その他のいくつかのディストリビューションでデフォルトになっているCUPSシステムではなく、昔ながらのlpr経由で印刷するように設定されている。

しかし、その設定をCUPSに変更するのは、文字どおり5秒もあれば終わる作業である。すべきことは、アプリケーションの[print setup]または[print preferences]セクションであちこちクリックし、「lpr」となんらかの文字列が入った小さなウィンドウを持つ[Print Command]のようなものを見つけるだけである。

その文字列を選択して削除する。

次に、そのウィンドウは閉じずに、使用中の(KDE)デスクトップの[printer]アイコンが見えるように画面に少しスペースを空けて、アイコンを右クリックする。表示されるメニューで[preferences]をクリックし、次に[execute]をクリックする。次のような文字列が含まれるウィンドウを持つ[Command]と記された行が表示される。

/opt/kde3/bin/startprint %u

この行をアプリケーションの[Print Command]の領域に貼り付けると、すぐに何の問題もなく印刷ができるようになる。この小さな変更を行うためにrootとしてログインする必要さえない。

変わった特徴

ほかに何かSuSE 8.2が使いやすくなるようなコツがないかどうか考えているが、標準のデスクトップ・アプリケーションを使用する限り、何もコツは必要ないように思う。それに、少し時間をかけてSuSEのマニュアルか、広範囲にわたる(しかも検索しやすい)オンライン・ナレッジ・ベースを調べれば、どのような疑問に対する答えもたいてい見つかるはずである。

何年もほかのディストリビューションを使用してきた私が少し違和感を感じているのは、これまで /usr/lib/で見慣れてきたアプリケーションが /optにあることだ。読者が「ポイントとクリック」を多用するデスクトップLinuxユーザならば、特に影響はないだろうし、コマンドラインの達人ならば、そのことにたちまち気付くだろう。そしてもちろん、読者がこの両者の間のどこかに位置するユーザならば、SuSEの充実したドキュメントが役に立つ。

SuSE 8.2はお勧めか?

正直言って、この質問に答えることはできない。Linux and MainというWebサイトを運営しているDennis E. Powell氏は、SuSE 8.2をとても嫌っている。

ときどき、これは単にハードウェアの当たりはずれの問題ではないかと思うことがある。インストールしたディストリビューションが、たまたま自分のハードウェアを正しく検出してセットアップすれば満足するだろうし、そうでなければ不満を感じるだろう。

私が個人的に言えるのは、SuSE 8.2はさほど問題なく期待どおりの働きをしているように見えるということと、インストール時やセットアップ時に私が経験したいくつかの小さな問題は、私自身のソフトウェアのこだわりが原因であり、SuSEの欠陥ではなかったということ――そして、重要な問題はすべてSuSEのドキュメントを読んで容易に解決できたということだけである。

私は、Linuxの入門者にも躊躇なくお勧めできるくらいSuSE 8.2のインストールは簡単だと感じている。ただし、うまくいくかどうかわからないインストールに多大な労力をつぎ込む前に、SuSEのハードウェア・データベースで自分の機器が対応しているかどうかを確認することが得策だろう。

(実際には、これはあらゆるハードウェア/オペレーティング・システムの組み合わせについて言えることである。)

SuSEの1つの大きな問題は――そして購入前にハードウェアの互換性を確認する必要がある理由は――YaSTが含まれるSuSEの完全なパッケージが、無料で試せるISOダウンロードでは入手できないことである。自分のハードウェアでSuSEが正しく動作するかどうか確信できない場合は、製品を購入する前にLUG の会合やインストール大会で試してみると良いだろう。