Operaの将来を左右するのはLinux──Opera社のCEOは語る

Opera Software 社のCEO、Jon S. von Tetzchnerは、Windows版とLinux版Operaのダウンロードの比率は8:1だと発表した。これは、すべてのデスクトップ・コンピュータのうち、12.5%がOSにLinuxを使っているか(これはあり得ない)、それともOperaをダウンロードするのはWindowsユーザよりもLinuxユーザの方がずっと多いかのどちらかである。

絶対数で見れば、Operaにとって、Windowsユーザの方がLinuxユーザよりも依然として重要だ。しかしこの状況は、これから変わっていくだろう。かつてLinux版のOperaは、Windows版よりも遅れてリリースされていたが、現在は両バージョンとも同時にリリースされているのだからなおさらだ。

「Opera 7では、コードがよりクロスプラットフォームなものになっている」とvon Tetzchnerは語る。「Windows版とLinux版を同時にリリースできたのはそのおかげだ。今後は、FreeBSD、Solaris、そしてMacなど、対応プラットフォームを増やしていきたいと考えている。」

Von Tetzchnerは、ソフトウェアが有償であるという点に関する、Linuxユーザからの反発は特に感じていないという。「ライセンスを購入しているユーザの数は、LinuxとWindowsの間で特に差はない。ユーザは、選択肢は多い方がいいと思っているし、そのうちの多くが、いいソフトウェアには出費もいとわないと考えている。現在、LinuxユーザでOperaを使っているのはほとんどがプログラマなので、出来のいいプログラムは評価してくれる。」

また、「デスクトップの世界でLinuxが成功を収めたときには、アプリケーションが必要になると思う」と付け加えた。さらに、商用ソフトウェアとフリーソフトウェアの両方を提供していく考えであることを明らかにした。

ブラウザを越えて

OperaとIBMは、音声認識と音声合成の分野で互いに協力体制をとっている。von Tetzchnerの考えによれば、近い将来、音声テクノロジを介してWebフォームの入力やオンラインでの商品の注文を行えるようになるという。しかし彼は、これを商機としてだけ考えているわけではない。そもそもOperaが音声認識に取り組み始めたのは、利益目的ではなく、障害のあるユーザがインターネットを利用しやすくするためだったのだ。

「ハンデを抱えるユーザに対するOperaの取り組みは、私の個人的な思い入れを会社に持ち込んだものだ。私の父は精神科医で、ハンデを持つ子供たちを専門に研究しているからね」とvon Tetzchnerは語っている。

OperaとIBMが共同で開発した音声ツールのいくつかは、ここからダウンロードできる。 http://www.opera.com/products/verticals/multimodal/

利益を追って

Opera Softwareは、1994年の創立以来、利益を上げられるよう何度か方向転換を図ってきた。展開中の新製品のキャンペーンは、現時点ではOperaの採算性を引き下げているが、von Tetzchnerによれば「今年度は黒字に転じるのを目標にしている。売り上げは確実に伸びているし、前年度は全体に見て収益が2倍になっている。」

Operaの収益成長が著しい市場は、大きいものから順に、組み込み、デスクトップ、モバイル、ITバーティカル・マーケットだ。Operaにとって一番新しいのは組み込みとモバイルの市場だが、小さな画面に正しくHTMLを表示するという、他のブラウザにはできない技術によって、将来を約束されたと言ってもよいだろう。

von Tetzchnerは、「横にスクロールさせることなく、小さな画面に(Webページを)きちんと表示できる。」と語る。「ユーザにはとても気に入ってもらえているようだ。 WAP も必要ない。すべてクライアント・サイドで処理するから、(Web)コンテンツを作成する側も特別な作業をしなくて済む。」

Operaの将来はLinuxが握っている?

「特に組み込みの分野で、これまでに大きな手ごたえがあったのはLinuxだ。」とvon Tetzchnerは語る。「IBM、Motorola、Lineoなどにもそれはあるが、Linuxの可能性を強く信じている。Linuxに関しては、デスクトップの分野にも期待している。」

しかし彼は次のように自戒する。「ヨーロッパに関して言えば、Linuxデスクトップに関する議論は盛んだが、実際の利用はそれほどでもない。」

von TetzchnerとOpera社は、Linuxを気に入っており、サポートしようと考えているが、OperaがWindows向け製品の開発を停止する予定は今のところないと考えていいようだ。