レビュー:NetOpによるLinuxからWindowsのリモート制御

大多数のLinuxユーザの立場からすると、Danware Data A/S社のNetOp Remote Control 7.5のようなサードパーティ製のリモート制御ソフトウェアなど、Linuxには無用だ。ネットワーク機能が最初から組み込まれ、telnetやSSHのようなプログラムを備えたLinuxには、リモート制御は初めから備わっているのだ。しかし、LinuxワークステーションからWindows PCのトラブルシューティングや管理を行う必要がある人や、Windows/Linux間のソフトウェア互換について心配することなく、ときどきWindowsプログラムを実行したいという人もいるだろう。NetOpは、そのような人のためにある。

WindowsコンピュータからLinuxシステム上のプログラムを実行することもできるが、この機能はHummingbird社のExceedファミリーのようなネイティブWindowsクライアント、Webインタフェース、X Window Systemクライアントソフトウェアのおかげで、これまでにも利用できた。この機能も便利であることは間違いないが、これはNetOpの中で最も重要な機能ではない。

NetOpで最も重要なのは、Altiris社のCarbon CopyやSymantec社のpcAnywhereのようなよく知られている同類のWindows製品と同じように、自分のデスクトップの前に座ったままで、遠くにあるWindows PCをリモートから実行する機能である。競合製品との主な違いは、Linuxデスクトップからこの機能を使用できるという点にある。

正確に言うと、NetOpではXFree86サーバとKDEまたはGnomeユーザインタフェースを使用するRed Hat Linux 7.x以降をサポートしている。Red Hat 7用とRed Hat 8用に2つのビルドが用意されている。ハードウェア要件は最小限である。486以上のプロセッサ、30MBのディスク領域、64MB RAMというごくわずかな要件だけで、Red Hatを実行できるコンピュータであればNetOpも実行できる。

また、インストール時にちょっとした工夫をすれば、NetOpをSuSE 8.1で実行することもできる。私の経験では、2.4以降のカーネルを使用するすべてのLinuxではNetOpをインストールして実行できる。もちろん、その場合にはテクニカルサポートは自分で行わなければならない。したがって、自宅のネットワークで試すのはよいが、仕事用のデスクトップではRed Hatを使うようにした方がよいだろう。

NetOpは仕事に当然役に立つだろう。リモート制御ソフトウェアはネットワーク管理者にとって重要であり、ヘルプデスクユーザにとっては不可欠である。他の同類の多くのプログラムとは異なり──私は数年をかけてほとんどすべてのプログラムを試した──、NetOpはインストールが驚くほど単純で、LinuxとWindowsのどちらのシステムでも実行できる。

非常に高速なネットワークであっても、大部分のリモート制御ソフトウェアにとって、遅延というのは最大の問題である(通常は画面更新の不調となって現れる)。しかし、NetOpは、制御側のLinuxゲストデスクトップ(Red Hat 8.1を実行し、256MB RAMを備えた1.4Ghz Athlon XPシステム)とWindowsホストシステム(Windows 98SE、Windows 2000、Windows XP Proを実行する1GHz Pentium IIIシステムによる3台のWindows PC)との間の画面更新と同期に関してはネイティブWindowsプログラムと変わらない性能を実現している。

だからと言って、NetOpが完璧だというわけではない。NetOpは、TCP/IP、IPX、NetBIOSなど広範囲にわたるネットワークプロトコルをサポートしており、56Kモデム接続のような低速接続にも対応できる。しかし、実際のところ、低速フックアップ(モデムや1.5Mbps SDSL回線上のTCP/IP)はすべて、使用できることはできるが、非常に遅い。ただし、LAN内では、802.11aと802.11bを使用すれば、実際の速度はそれぞれ15Mbpsと4Mbpsで、Ethernet(10Mbps)、Fast Ethernet(100Mbps)では非常に高いパフォーマンスを実現している。

また、NetOpではホストシステムのスクリーンセーバーやその他のバックグラウンドプログラムを自動的に無効にして、リモート制御のパフォーマンスをさらに一段階高めることができる。最終分析では、リモート制御プログラムを判断する上で最重要要因となるのはリモート制御のパフォーマンスなので、これは本当に便利な機能である。

本格的なネットワーク管理に便利なもう1つの機能として、セッションのログ機能がある。この機能を使えば、何か問題が起きたときに、いつでも「テープを巻き戻して」何が起こったかを調べることができる。

どのようなリモート制御プログラムでも、セキュリティは懸念事項となる。NetOpには基本機能が完備されている。たとえば、ゲートウェイサーバへの安全なログイン、ホストでゲストセッションを明示的に承認した通信だけに制限する機能、ゲストセッションに制限時間を設定する機能、そして何よりも重要な、システム間通信の暗号化機能が備わっている。

NetOpの用途はリモート制御だけにとどまらない。NetOpを使うと、1つのシステムから他のシステムに簡単にデータをコピーおよび移動したり、IMスタイルのチャットを使用したり、適切な機器があればボイスチャットを行うこともできる。これらはすべて、リモート制御を必要とする人々にとって嬉しい機能であり、ヘルプデスクユーザが必ず寵愛する機能である。

ヘルプデスクユーザにとっては、複数の同時ゲストセッションを一緒に実行できるというのも嬉しい機能だ。これを利用すれば、1つのWindowsコンピュータで長いパッチアップデートがゆっくりと進んでいる間、他のWindowsコンピュータのトラブルシューティングにリアルタイムで取り組むことができる。

NetOpはプロプライエタリなプログラムで、その価格は、ホストとゲストが1つずつ入った$179のパッケージから、最大100台のワークステーションを同時に処理できる$3800のパッケージまで、豊富である。北米では、フロリダを拠点とする配布元のCrossTecからNetOpを入手できる。

NetOpでは、Symbian OS、MS-DOS、OS/2、Solarisなど、Windows以外のオペレーティングシステムもサポートしている。ほとんどの用途はWindowsやLinuxからWindowsシステムをリモートに実行することだと思うが、この追加オペレーティングシステム機能のおかげで、純粋なWebベースのGo to My PCを除けば、最も柔軟なリモート制御ソフトウェアと評価されている。

NetOpが本当に自分に合っているかどうか不安だという人は、全機能を備えた無料の評価版を請求できる。ただし、ダウンロードでは提供されていない。これが気に入ったら、インターネットでライセンスキーを取得し、すぐに実用に移ることができる[訳注:http://www.d-tec.co.jp/products/remote/evalremote_download.htmlからダウンロードできる]。

とにかく、Linuxを使っていながら、Windowsワークステーションにも気を配り続けなければならないという人は、きっとNetOpが気に入るはずだ。