Linuxカーネル3.4リリース、BtrfsやGPUドライバの強化、64ビットモードで32ビットポインタを利用するABIの追加などが特徴

 Linus Torvalds氏は5月20日、Linuxカーネル3.4のリリースを発表した。Btrfsファイルシステムの強化、GPUドライバのアップデート、x86 CPUドライバでの自動判別などが特徴となる。

 3月19日にリリースされたLinuxカーネル3.3に続くアップデートで、この間7回のリリース候補(RC)版がリリースされている。Torvalds氏はリリース告知内で「3.4リリースサイクルは、全体としてかなりおとなしいものだった」と記している。

 Linuxカーネル3.4ではBtrfsファイルシステムに多くの改良が加えられた。新たなデータ復旧・修復ツールが利用可能になったほか、4KB以上のメタデータブロック対応、パフォーマンスの改善、エラーハンドリングの改良などが行われているという。

 また、GPUドライバの改良も行われた。NVIDIAのGeForce 600シリーズ(開発コード「Kepler」)やAMDのRadeon HD 7000シリーズといった最新GPUのサポートが追加されたほか、「Medfield」と呼ばれる、Intel Atom CPUのスマートフォン・タブレット向けモデルの統合グラフィック機能サポートも行われている。

 またx86向けカーネルにおいて、64ビットモードで動作しながらも32ビットのポインタや32ビットのlong型を使用する新たなABIが作成された。これによりメモリアクセスなどのオーバーヘッドを削減しつつ、64ビットモードでしか使えないCPU機能を利用できるようになるという。

 そのほか、x86 CPUドライバの自動読み込みやブート時に起動デバイスが改ざんされていないか検証する機能、読み込み専用の外部デバイスをシンプロビジョニングされたLVMボリュームのソースとしてサポートする機能、セキュリティモジュール「Yama」、「QNX6」ファイルシステム(qnx6fs)サポートなども追加された。プロファイリングツール「perf」の強化も行われている。

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