IPAフォントの派生フォント「Takaoフォント」リリース

 Ubuntu Japanese Teamは2010年2月15日、オープンソースの日本語アウトラインフォント「Takaoフォント」をリリースした。情報処理推進機構(IPA)が公開している「IPAフォント」の派生フォントで、「Ubuntuの標準日本語フォントとなる可能性もある」としている。

 IPAフォントは、フォントデザイナーの故・林隆男氏がデザインしたTB(タイプバンク)ゴシックおよび明朝をベースにした高品質な日本語アウトラインフォント。IPAは当初、GISソフトの添付のみで配布していたが、2007年に一般利用者向けの単体配布、2009年にオープンソースライセンス「IPA フォントライセンス」での配布を開始している。

 プロジェクトでは、Ubuntuの日本語標準フォントにIPAフォントを採用することを検討したが、「一部のアプリケーションで半角幅の文字が全角幅で表示される」「日本語変換の未確定文字列に下線が表示されない」といった問題があった。

 また、これらの問題を修正して解決するには、改良とテストが必要となるが、IPA フォントライセンスが品質維持のため「IPAフォント」の名称での改変や再配布を制限しているため、採用は実現しなかった。

 こうしたことから、プロジェクトではIPAフォントの名前を変更した派生フォントを作成してコミュニティで保守する方針を決定。修正したものを新たに「Takaoフォント」の名称でリリースし、コミュニティでバグ情報を共有し、修正できる体制を整えた。なお、名称は、林隆男氏の名前からとったという。

Takaoフォント
https://launchpad.net/takao-fonts