ODF Alliance、「Office 2007 SP2」のODF対応は不十分と主張
オフィスファイルフォーマット「OpenDocument Format(ODF)」を支援する業界団体OpenDocument Format Allianceは5月19日(米国時間)、米Microsoftの「2007 Office system Service Pack 2(Office 2007 SP2)」でのODFサポートは不十分とする警告を発表した。
ODFは「OpenOffice.org」をはじめ、米IBM、米Novellなどのオフィススイートで採用されている仕様で、OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)、国際標準化機構(ISO)が標準規格として承認している。一方、米Microsoftは「Office 2007」で、ODFに対立する規格「Office Open XML(OOXML)」を採用している。
Microsoftは2009年4月28日に発表したOffice 2007 SP2で、ODFとの相互運用性を特徴の1つに挙げており、ODF形式のファイルを開いたり保存することができるとしていた。ODF Allianceによると、ODFベースの複数のオフィススイートとOffice 2007 SP2との間で互換性を検証する初期テストを行った結果、Office 2007 SP2のODF相互運用性には重要な不足があったとしている。
たとえば、「Excel 2007」ではスプレッドシート内での計算に使われる式のサポートが不足しているため、「Google Docs」「KSpread」「OpenOffice」「Sun Plug-In 3.0 for MS Office」で作成したシートをExcel 2007で開いた場合、正確に処理できないという。このほか、パスワードで保護されたODFファイルをネイティブに開けない、ODFの変更履歴を表示できない、などの点を指摘している。
これらのことから、Office 2007は政府など市場が要求する相互運用性レベルに達していないとODF Allianceは主張している。また、サードパーティが提供するプラグインのODFサポートの方がOffice 2007 SP2よりも優れている場合もあるという。
詳細なテスト結果はODF AllianceのWebサイトで閲覧できる。
OpenDocument Format Alliance
http://www.odfalliance.org/