Microsoft、ASP.NETと連携するAjaxアプリ開発フレームワークをリリース
ASP.NET AJAX 1.0は、インタラクティブなAjaxアプリケーションの開発をターゲットとするフレームワークで、ASP.NET 2.0との連携によってビジュアルな開発環境を提供する。Microsoftによると、同フレームワークの下で開発されたクライアント・サイドのAjaxアプリケーションは、「Internet Explorer」をはじめ、「Safari」や「Firefox」、「Opera」の各Webブラウザで動作するという。
ASP.NET AJAX 1.0には、Webブラウザ上で動作するAjaxコンポーネントをパッケージングしたMicrosoft AJAX Libraryや、サーバ側の機能を提供するASP.NET 2.0 AJAX Extensionsが含まれている。これらを活用すれば、インタラクティブなユーザー・インタフェースの作成や既存ページの強化が容易になるほか、データへのリモート・アクセス機能などについても、複雑なJavaScriptコードを記述することなく作成できる。
ASP.NET 2.0 AJAX Extensionsは、Microsoft Reference License(Ms-RL)に基づいてリリースされることになっている。同ライセンスの場合、ソースコードの参照は認めているものの、改良を加えたコードを配布することはできない。
ASP.NET AJAX 1.0は、MicrosoftのWebサイトから無料でダウンロードできる。
なお、ASP.NET AJAX 1.0のリリースと同時に、MicrosoftはASP.NET AJAX Control Toolkitのアップデート版も公開した。同ツールキットには、アニメーションや自己完結動作などに対応するコンポーネントが新たに含まれている。
MicrosoftのAjax技術「Atlas(開発コード名)」が初めて公になったのは、同フレームワークのプレビュー版が公開された2005年10月のことだ。その後、2006年3月には「Go-Live」ライセンスが付加された別のプレビュー版がリリースされた。また同年12月には、今回の正式リリースに向けた地ならしとなるRC版(リリース候補)が公開されている。
もっとも、Atlasの開発は困難の連続だったと言われている。昨年6月にボストンで開催された「Microsoft TechEd 2006」でも、Atlasの遅れが話題に上った。
. NET関連の開発を手がけるコンサルティング会社の幹部が「Atlasの開発は難航している」と語り、ページの漸次書き換え処理を容易にするUpdate Panel機能の信頼性に問題があると指摘。これに対し、MicrosoftのWebプラットフォーム/ツール担当グループ製品マネジャー、キース・スミス氏が、「Update Panelの信頼性に問題はなく、仮に問題があっても完全なテクニカル・サポートを提供できる」と反論する一幕もあった。
1月23日に公表された調査会社エバンズ・データのリポートによると、ASP.NET AJAXは、アドビ システムズのFlashアプリケーション開発環境「Flex」とともに高い評価を得ている(Flexのほうがわずかに得点が高かった)。
エバンズ・データの社長であるジョン・アンドリュース氏は、「ASP.NET AJAX 1.0はスクリプト言語にとって非常に重要な技術であり、とりわけMicrosoftの製品や戦略を支持しているディベロッパーにとって重要性が高い」と語っている。
オープンソースのAEjaks 0.4も同時期にリリース
ASP.NET AJAX 1.0と同時期に初期バージョンがリリースされたオープンソースの「AEjaks」も、注目すべきAjaxアプリケーション開発ツールだ。AEjaksの特徴は、「Echo2 AJAX」ウィンドウ・システムとTcl(Tool Command Language)とを組み合わせた点にある。
AEjaksプロジェクトは、AEjaksの開発目標を、Ajaxプログラミングの簡素化と、Tkに着想を得たインタフェースの実現にあるとしている。TkはTclと一体化したツールキットで、AEjaksではTclのJava実装であるJaclを使っている。
AEjaksのバージョン0.4は1月1日にリリースされており、今後はメニューや視覚効果などに対応するEcho2ライブラリが追加される予定となっている。
(ポール・クリル/InfoWorld オンライン米国版)
米Microsoft
http://www.microsoft.com/
提供:Computerworld.jp