NEC、メタル伝送技術で通信速度100Mbpsを実現したシステム

 NECとNECマグナスコミュニケーションズは6月13日、専用LSIを用いて、既存の電話配線を利用した通信速度100Mbpsを実現するメタル伝送技術を開発したと発表した。同技術を採用したシステム「ESU(Ethernet Service Unit)シリーズ」を6月中に発売する。

 専用LSI「MG100」を使用し、既存の電話配線で上り/下り100Mbpsの固定通信速度を実現するメタルアクセスシステム。センター側のESUコンセントレータ「ESU-C8」とリモート側の端末装置「ESU-R」で構成。税別価格は、コンセントレータ1台に8台の端末装置がセットになった基本システム構成で28万9000円。別途、工事費が必要。「単体対向型 ESU-C/R」も用意する。

 「ESU-C8」は、小規模集合住宅などへの設置に最適なコンパクト設計で、設置形態を選ばないフロントアクセスを採用。ラックマウントや壁掛け設置も可能。FANレス設計で稼動音を抑えた。サイズは幅320×高さ44×奥行き300mm。

 一方、「ESU-R」は、センター側の「ESU-C8」からの給電で動作するため電源が不要。小規模集合住宅などのインターネット接続やIP電話サービスの提供に活用できるほか、Ethernetケーブルの敷設が困難な場所で、既存の構内回線などを利用した高速通信にも対応する。サイズは幅64×高さ26×奥行き86mm。

 今回の技術は一般のxDSL技術とは異なり、配線距離を限定することで、既存電話配線でEthernetと同様の上り/下り100Mbpsを固定速度として提供することが特徴。この技術を実現した専用LSI「MG100」は、小型化と省電力化を図り、独自インターフェイスに加えIEEE標準のFASTEthernetを装備し、電話線(2W)やUTPで使用できるようになった。これにより、さまざまな通信機器や端末機器への応用・組み込みが容易に行え、高速通信が必要な映像伝送やアプリケーション用途などにも対応できる。

 両社は今後、ホームネットワーク市場や監視市場を対象に、国内外の通信事業者や配線工事会社のほか、システムベンダー向けの組み込み型製品としても販売し、今後1年間で20万ラインの売り上げを目指す。

NEC=http://www.nec.co.jp/
NECマグナスコミュニケーションズ=http://www.necmagnus.com/
「ESUシリーズ」=http://www.nec.co.jp/access/

提供:BCN