アールスリーインスティテュート(本社:大阪市、代表取締役:西松顯、以下当社)は、kintoneをはじめとした複数のSaaSと連携できる社外DXプラットフォーム「gusuku Everysite」の開発についてお知らせいたします。
■ Webサイトと社内システムの垣根
近年、サイボウズ株式会社が提供するkintone(以下、kintone)をはじめとした、社内業務を効率化するためのローコード・ノーコードのシステム開発プラットフォーム(以下、業務プラットフォーム)を採用する企業が増えています。このような業務プラットフォームを利用することで、多くの企業が内製での業務改善およびDXに成功しています。
当社はkintoneをノーコードでカスタマイズできる「gusuku Customine」を提供することにより、微力ながら社内での業務改善やDXに貢献してきたと自負しています。
しかし、業務は社内メンバーだけで完結するものばかりではなく、顧客や取引先といった社外の人とのコラボレーションによって行われるものが多くあります。
典型的には、
・ホームページの問合せフォームから案件がスタートする
・取引先からの注文によって、生産指示が発生する
・取引先とやりとりする様々な情報を取引先が一箇所で見られるようにしたい
・製品の在庫情報を取引先にリアルタイムに公開し、すぐに発注してもらえるようにしたい
・注文履歴をお客さま自身で見られるようにしたい
などのケースが考えられます。
kintoneをはじめとした各種SaaSと連携できるフォームサービスやマイページサービスは数多くリリースされていますが、当社がお客さまとお話をする中で、お客さまの要望をしっかりと満たせるサービスがないことが課題となっていました。
多くのケースで、お客さまは別途構築された自身のWebサイトを持っており、そこに部分的にフォームサービスなどを埋め込んだり、別サイトに誘導したりすることによって業務システムとの連携を実現しています。そのため、唐突にユーザーインターフェースが変化するなどユーザー体験の向上に限界がありました。
また、開発においてもWebサイトはWeb構築ベンダー、社内システムは内製もしくはkintone開発ベンダーのように、複数ベンダーとの調整が必要となり非効率となっています。
これは、Webサイト構築とWebシステム開発という2つの世界に高い垣根があることが原因ではないかと当社は考えています。この垣根をなくしたプラットフォームがあれば、社内だけでなく社外まで含めたより強力な業務改善文化を醸成できるのではないかと考えた事が、今回のgusuku Everysiteの開発につながっています。
■ gusuku Everysiteについて
このような課題感から当社では、kintoneをはじめとした複数のSaaSと連携できる社外DXプラットフォーム「gusuku Everysite(グスク エブリサイト)」を開発しており、2024年11月7日(木)、8日(金)に開催されるCybozu Days 2024に参考出品いたします。
■ gusuku Everysiteの特徴
(注)記載の特徴は現在開発中のものおよび計画しているもので、リリース版では変更になる可能性があります。
● Webサイト自体の構築
gusuku Everysiteはフォームサービスやマイページサービスではありません。gusuku EverysiteはWebサイトそのものを構築することができ、コーポレートサイトのようなWebサイトもまるごとgusuku Everysiteだけで作成することができます。
例えば、kintoneをCMSのように利用しkintoneに入力されたデータを元にWebサイトの各ページを生成することが可能です。
● 柔軟なレイアウト
従来のフォームサービスはページのレイアウトに制限があるものが多く、利用者の体験やブランディング面で対応しきれないケースが多数ありました。
gusuku Everysiteでは柔軟なレイアウトを作成でき、そこに多数の部品を配置できることで、自由度の高い画面設計機能を提供します。
● 静的生成と動的生成の両方に対応
作成されたページは、すべて静的HTMLとして生成され、CDNを利用し高速配信されます。また、静的HTML生成時にコンテンツを埋め込むことも、ページ表示後に動的にコンテンツを取得し表示することも可能なため、必要なユーザー体験に応じて柔軟にデータ取得方法を選択することが可能です。
● 多様なウィジェットの選択肢
フォーム、テーブル等データを様々な形式で閲覧・編集できるウィジェットを用意していきます。
● 強力な画面カスタマイズ
当社では、kintoneをノーコードでカスタマイズするgusuku Customineを提供しています。gusuku Everysiteではこのgusuku Customineの技術を応用し、従来のノーコードWeb開発サービスではなかったようなカスタマイズ性を提供します。
・フォーム送信前に独自のエラーチェック行う
・フォームの選択内容に応じて、フォームの必須項目を変更する
・ユーザーの入力に応じて、選択肢を動的に変更する
・画面上の任意の要素のクリックでページ遷移を行う
・1つのフォームから複数のSaaSに書き込みを行う
など、柔軟なカスタマイズが可能になる予定です。
● モバイル対応
ページのどの要素をどの順でモバイル画面で表示するかも自由に設定できるため、見やすいモバイル画面が作成できます。
● 大量アクセスへの対応
社内利用を前提としている業務プラットフォームは大量アクセスに耐えられるように設計されていないものが多く、短時間に大量のアクセスやデータの書き込みが集中するとエラーとなったり、業務プラットフォーム側の制限値に抵触したりすることがあります。
しかし、外部に公開されるページは短時間に大量にアクセスされることがあります。そういったときにエラーが発生してしまうと大きな機会損失となります。
gusuku Everysiteは大量アクセスを前提としたアーキテクチャで構築しており、秒間100アクセス以上にも耐えられるサービスとなっています。また、受け取ったデータを各種SaaSに書き込みする際は、各SaaSの制限に従ってペースをコントロールして連携します。
● 強力なデータキャッシュ
gusuku Everysite自体にはコンテンツとなるデータを保存・管理する仕組みは持たず、バックエンドとしている業務プラットフォームのデータを参照します。先にも触れたように、業務プラットフォームは大量のアクセスには耐えられず、このようなサービスから都度データ参照のためのアクセスを行うことは業務プラットフォームに過剰な負荷を与えることになります。また、その結果としてレスポンスが落ち、アクセスしてきたユーザーの体験が悪化することにつながります。
gusuku Everysiteでは、業務プラットフォームのデータをいくつか用意された戦略に従いキャッシュすることで、この問題を軽減します。データキャッシュ戦略は、元データの更新頻度に基づいてお客さま自ら選択していただけます。
● 自由なユーザー管理
ユーザーごとのデータの参照にはユーザーのログイン等の認証が必要となりますが、gusuku Everysiteでは、以下のような多様なユーザー管理手段を用意することを計画しています。
・業務プラットフォームのデータをユーザーのマスタ情報として参照
・Google、Microsoftといった多くのユーザーが持っていると思われるアカウントを利用しての認証
・gusuku Everysite内で独自に管理
・ユーザーごとに固有の推測不可能なURLを発行することで簡単にアクセス
● 独自ドメインでの公開
当社は、URLもブランディングの重要な要素と考えています。
gusuku Everysiteでは当社で用意しているeverysite.netドメイン以外に、お客さま独自のドメインに関連付けてサイトを運用することが可能です。
● 複数の業務改善SaaSとの連携
当社はkintoneのパートナーとして知られていますが、gusuku Everysiteはkintoneだけではなくその他の業務プラットフォームとの連携も可能にしていきます。
kintone以外の連携先は現在選定中ですが順次発表していきます。
■ Cybozu Daysでの出品内容
2024年11月7日(木)、8日(金)に幕張メッセで開催されるCybozu Daysでも、参考出品としてgusuku Everysiteのプロトタイプを展示すると共に、当社ブース内でgusuku Everysiteを知っていただくセミナーを以下のスケジュールで実施します。
ぜひ、Cybozu Daysの当社ブースにてgusuku Everysiteの世界に触れていただければ幸いです。
Cybozu Days 2024におけるgusuku Everysite発表会スケジュール
11月7日(木)
・12時50分
・14時00分
・15時26分
11月8日(金)
・13時08分
・14時10分
■ 今後のスケジュール
gusuku Everysiteは現在も開発中の製品であり、以下のスケジュールでリリースを予定しております。
2025年3月:プレビューリリース(すべてのユーザー様に期間限定で無償で利用可能なβ版をリリース)
2025年7月:正式リリース
■ ご利用料金
ご利用料金は、2025年7月の正式リリースの1ヶ月前を目処に発表いたします。
■ 業務プラットフォームとの関係について
kintoneをはじめ業務プラットフォームは、そのサービスにログインするユーザーの数によって料金が決定されるものが多くあります。業務プラットフォームは各ユーザーが自身の名前でログインしデータを蓄積していくことによって、データを中心としたコラボレーションを実現し、業務を改善していくものです。
そのため、当社ではお客さまの社内ユーザーは業務プラットフォームに個別のアカウントを持つべきだと考えております。業務プラットフォームのアカウント発行数を節約し料金を下げるためにgusuku Everysiteを利用することは、このような業務プラットフォームの価値を毀損することにつながるため、利用規約に「連携先の業務プラットフォームのアカウント発行数を節約するためにgusuku Everysiteを利用することを禁止する」条項を設定する予定です。
gusuku Everysiteは社外DXを推進するためのプラットフォームとして、社外との密なコラボレーションを実現するための機能を開発していきます。