記事レビュー「gNewSenseがFSF公認ディストリビューションに仲間入り」

gNewSenseがFSF公認ディストリビューションに仲間入り

あるディストロにnon-freeなコードが含まれているかどうかを判定するのは、本当はとても難しい。Debianの場合、vrms(Virtual Richard M. Stallman)という、卓抜なのだが若干迷惑なソフトウェアが用意されており、non-freeなパッケージがインストールされているとcronで毎日通知してくださる。vrmsをインストールしなければ良いのだが、それはなんとなく申し訳ないような気がするではないか。しかしvrmsが判定するのはあくまでDebianパッケージ単位である。あるソフトウェアにnon-freeなコードが忍び込ませてあっても、それを発見するのは困難だ。

このgNewSenseというのは基本的にはUbuntuで、Linuxカーネルなどからbinary blobを徹底的に排除した(あるいは排除しようとしている)もののようである。binary blobというのは最近よく見られる表現で、ある種のファームウェアなど、ソースコードがまともに提供されていないモジュールのことを指す。このbinary blobの問題はなかなかに根が深いのだが、各ディストロで対応も異なる。Ubuntuは機能優先で積極的に採り入れるようだ。Debianはとりあえずetchのリリースではこの問題は棚上げ(ただし、sargeより悪化はしないようにする)で、でも今後はじょじょに無くしていく方向。FreeBSDやNetBSDは例によって気にもしていないようだが、面白いのはOpenBSDがbinary blob徹底排除だということ。もちろんそれはフリーがどうとかいう話ではなく、監査ができずセキュリティ的に確信が持てないからだろう。Theoは徹底していて偉いなあ。ちなみに私はDebianくらいの漸進主義が良いと思っている。