Geekcorps:第三世界でコンピュータユーザを養成する平和部隊
私のような軟弱者なら、そもそもあらゆる意味で社会インフラが整っていないのだから無理、と最初からあきらめてしまうところだが、そこで劣悪な電力事情にも砂漠の猛烈な砂塵にも耐えるPCから一揃い作ってしまう、というあたりに強烈なハッカー魂を感じる。いつの日か、このDesert PCでプログラミングを学んだ天才ハッカーがアフリカから現れるかもしれない…というようなことは実はどうでもよくて、単純に技術的な挑戦として面白そうだ。例の100ドルPCもそうだが、崇高な貢献だの社会奉仕だのといった御託はさておき、やっている連中が楽しそうで出てきたものがクールなのが素晴らしい。こういうところに寄付などでそれなりにお金が流れるしくみがある(というかそもそも国策でボランティアを育成している)のもアメリカの良いところですね。
以下は私の偏見と思ってもらって構わないが、私は社会運動におけるデモ、アピールの類にほとんど価値を見出せない。いまどきデモや座り込みをしたり、アピールを発表して何か意味があるのだろうか。やっている人の善意を疑うわけではないが、むしろこうしたものの開発や運用に参加したほうがはるかに生産的で、現地の人のQOL向上に資するのではないだろうか。現代においては、いかなる社会運動であっても技術の裏付けがないものは現実への影響力を何ら持ち得ないと私は思う。