Libranet創立者の息子、ディストロとツールの存続を望む
1999年に父Jon DanzigによってLibranetと関連プロジェクトが設立されてからずっとこのディストロに関わっているTal Danzigは、Libranetのビジネス部門を引き継いでLibranetをGNU/Linuxマーケットの「実力者」にしたて上げる人物を目下のところ探しているという。とはいえ、現時点でLibranetは宙に浮いた状態にある。
Danzigは、ブログの9月30日の投稿でリストラを表明し、自分は「ひと息入れる」必要があり、Libranetの活動再開がいつになるかわからないと、Libranetコミュニティに予告した。
11月25日、DanzigはLibranetが実質的に活動を停止しており、早くても再開は2006年2月に彼がイスラエル旅行から帰国した後になると書いた。Libranet Webサイトでは、Libranetを利用しているユーザに引き続きサポートサービスが提供され、Libranetのフォーラムも存続すると発表されている。
この2年間、DanzigはLibranetプロジェクトで重要な役割を担ってきたが、今年の6月に父親が亡くなってからというものLibranetは完全にワンマン・プロジェクトとなり、活動を続けるための要件が積み重なっていた。Libranetに関わっていたプログラマのDaniel de Kokがプロジェクトへの関与に消極的になったため、Danzigがすべてを負う状況になっている。
「本当に1人には荷が重過ぎるんですよ、Libranetのすべてをこなすのは…。プロジェクトを今の形で続けることは、僕の手に負えません」彼はインタビューにこう答えた。
Danzigは、開発の中断がLibranetユーザに与える影響を計りかねている。Libranetのパブリックなフォーラムでは、一部のコミュニティ・メンバーが、Libranetが眠りから覚めない場合のために、LibranetのインストーラとAdminmenuのソースコードを公開して、コミュニティで利用と改良ができるようにして欲しいと求めている。インストーラとAdminmenuツールのライセンスについては、これまで何も発表されていない。
Danzigは、コードの公開やライセンスについて態度を明らかにしないものの、ツールを消滅させるつもりはないという。
「Libranetが商用プロジェクトとして進まない場合は、なんらかのフリーソフトウェア・プロジェクトがLibranetツールから発生できるように、僕にできることは何でもやりますよ」とは言ったが、そのようなシナリオの実現については詳細も可能性もはっきりさせていない。
Danzigのブログと今回の発表を伝えた昨日の記事の両方に、ツールのコードをGNU General Public License(GPL)に基づいて公開することを求める意見が投稿された。完全なオープンソースではないLinuxディストリビューションを使うのは賢明だろうかと、通りすがりの読者も口をはさんでいる。
「Libranetユーザは、これを苦い教訓にしないと」というのは、ある匿名の投稿だ。「これからもLinuxを利用し、頼りにするのなら、”すべて”のソースコードにアクセスできるサポート万全のディストリビューションしか相手にしちゃいけない。プロプライエタリなLinuxには近づかないこと。もう二度とやけどしたくないなら、作者の胸先三寸で放り出したりできないソフトウェアを選ばないと」
Danzigは、Libranetのどの部分を自分が扱えるのか(扱える部分があるとして)、どの部分に協力を求める必要があるのかを確認することにしたが、ほとんどの投稿はこの決意を支持するコメントだった。ビジネスの展開よりもディストリビューションの開発の方が得意分野だと認めるべきだと、進言する投稿もある。
「あなたがLibranetに持ってきたスキルが、ビジネスマネージメントのスキルじゃなかったことを理解するまでにあなたが成長した、ということですよ」と、長年のユーザであるBruce MillerはDanzigのブログへの投稿で指摘した。「だからといって、そのスキルの価値が損なわれるわけではありません。…これまで、それがLibranetの高い品質につながってきたのですからね」
原文