Linuxのセキュリティに対する最新の脅威:エイリアンのハッカー

この危機については、空飛ぶ円盤のマニアたちから聞いたわけではなく、きわめて社会的地位の高いイギリスの新聞The Guardianから情報を得た。そこには「ある科学的な報告書によれば、地球上のコンピュータは“緑色の小人”からのウイルス攻撃の危険にさらされている」と記されている。 これまでのところ、Linuxがエイリアンのコンピュータウイルスの影響を受けないという保証はどこにもない。 だとすると、この脅威によってLinuxの普及に歯止めがかかるのではないだろうか?

米Forrester社の調査によって「Microsoftは、周知された欠陥の100%をこの調査期間中に訂正し終えた唯一のベンダ」であり、「計測を行ったあらゆるプラットフォームの中で、Windowsは全般的な脆弱性および“重要度の高い”脆弱性が最も低い」ことが示された以上、Windowsがエイリアンによるコンピュータウイルスの犠牲になることはなさそうだ。

信用ならないLinux信奉者の面々によるものではなく、Microsoft自らが”Get the FUD“サイトで公開したものなので、この調査結果が信頼できるのはわかっている。

さらに、同じく信頼できる情報源によれば、上記の調査報告が公開されて1年以上経った現在、Windowsユーザは「Microsoftのセキュリティは過去12ヶ月で100%改善された」と感じているという。

言うまでもないが、こうした情報から読み取れるWindowsの脆弱性は、困ったフリーソフトウェアコミュニストのたわごとに過ぎない。

しかし、本当にそうだろうか? こうしたものがすべて地球侵略を目論むエイリアンによるデマ情報キャンペーンである可能性はないだろうか?

誰もがエイリアンを有害だと信じているわけではない。たとえば、ライトサイド(The Lightside)の人々は確かにエイリアンを善の勢力と考えているようだ。

しかし、このライトサイドをそのまま信じていいのだろうか? 「あのサイトを実行しているプログラムは?」とNetcraftで問い合わせたところ、OS不明(OS unknown)という結果が返ってきた。 このとき、すぐにある疑念が頭をよぎったのだ。異質なOSを使用しているこのサイトは、エイリアンによるデマ情報キャンペーンの一端を担っているかもしれない。 あるいは、ひょっとするとこのサイトが―彼ら自身もそうとは知らない間に―偽のデマ情報キャンペーンの一端を担わされているのかもしれない。

高度な知的生命体がLinuxを破壊する方法

星々の間を行き交う生命体が技術面で我々を凌駕しているのは当然である。 そんな彼らが、フリーソフトウェアの運動を起こすことで、あらゆる生命体がコードに貢献できる体制を作り上げたのだ、と理解できないことはない。 彼らの技術は我々よりもずっと進んでいるため、彼らが仕込んだコードには、侵略の準備が整い次第、我々の防衛策を無効化する命令が隠されているとも考えられる。

もちろん、 Linus Torvalds氏やApacheの内部サークル、それに一流のフリーソフトウェアプロジェクトを推進する他のリーダーたちが、コードを受け入れる前にすべてをチェックしていることは承知している。 しかし、今ここで語っているのは、Linus氏のような天才級の地球人でも叶わないほどの知性を持つ、途方もなく進化したエイリアンであることを忘れてはならない。 Linus氏には無味乾燥なデバイスドライバに見えても、実は、OpenOffice.orgとXMMSにそれぞれ隠された別のコード断片と連携して実行し、ApacheベースのWebサイト内の暗号化されたメッセージによってアクティブ化すると、ペンタゴン(米国国防総省)でも最も警戒が厳重なコンピュータネットワークに侵入して、米国の全核兵器を無差別に発射するコード断片が含まれているかもしれないのだ。

独占的ソフトウェアが安全な理由

これまでに、Microsoftに大規模なコードを提供して、Windowsの次期バージョンに採用してもらおうと思ったことがあるだろうか? 私の場合、そんなことは考えたこともない。たとえ、あの手に負えないレベルよりはましなプログラムが自分に書けたとしてもだ。WindowsをはじめとするMicrosoftのプログラム―それに事実上すべての独占的ソフトウェア―を書いているのは、担当従業員と入念に選抜された下請け業者の一団であり、オンライン投稿用のバイナリディレクトリにプログラムを提供している身元不明の流れ者ではない。

粘ついた緑色のうろこで覆われたエイリアンがよだれをたらしながらレドモンド(米ワシントン州の都市)にあるMicrosoft本社の人事部門に姿を現したところを想像してもらいたい。 だが、人事部員がその高度な技術を学ばせるべく開発者たちを呼び終わらないうちに、エイリアンはドアの向こうに(両手を宇宙生物学者たちにつかまれて)姿を消してしまっているだろう。

このエイリアンが宇宙生物学者たちの手から逃れ、故郷の星にたどり着いたらどうなるだろうか。きっと彼は怒りにまかせて、SETI Institute(地球外知的生命体探査の活動を行っている組織)によって拾い上げられて地球上のコンピュータに感染させることをねらって、ある種の恐ろしいコンピュータウイルスをエイリアン一族の惑星間無線通信装置にロードするだろう。

しかし、先ほど述べたとおり、Windowsはセキュリティの点で十分に保護されているので、エイリアンのウイルスによって障害を受けることはない。 そればかりか―この点が重要なのだが―エイリアンにはWindows自体にコードを仕掛ける手段もない。これがLinuxであれば、高い知性を持つエイリアンのこと、Linuxカーネルの貢献者になるのは容易であり、極悪非道なイースターエッグを仕掛けることができたはずだ。

あなたは、あらゆるフリーまたはオープンソースのソフトウェアプロジェクトに貢献している人物がすべて地球の人間であると自信を持って言い切れるだろうか? 残念ながら、私にはその自信はない。

そう言い切れるようになるまでの間、侵略者たるエイリアンからあなたのコンピュータを守る確実な方法は、時代遅れの独占的ソフトウェアにしがみついていることだ。私も、シンプルで信頼に足るLinuxの代わりにWindowsを走らせるほど賢くなれるときが来たら、すぐにでもそうしようと考えている。

原文