RubyForge、ホストするプロジェクトの数が1,000を超える

RubyForgeはオブジェクト指向言語Rubyを使って作成されたオープンソース・アプリケーションをホストするレポジトリだ。先週、このRubyForgeに1,000番目のプロジェクトが追加された。Rubyは昨年のRuby on Rails(RoR)フレームワークのリリース以降、爆発的に人気を集めている。

開発者Joseph TremblayのRolling Gemstone(RoRを基盤とするe-zineエンジン)が追加されると、これがWebサイトにカウンタ表示されるプロジェクト数を、11月7日に1,000まで押し上げた。RubyForgeサイトの2人の管理者の1人であるRichard Kilmerによれば、このサイトには1日平均4つのプロジェクトが追加されるそうだ。

RubyForgeのシステム管理者であるKilmerとCopelandがこのサイトを始めたのは2003年6月のことだ。その理由は、Rubyコミュニティに作業中のプロジェクトをホストする場所が必要だと2人が感じたから、とKilmerは言う。CopelandがGForgeのコミッタの地位を得ていたので、これをRubyForgeサイトの管理フレームワークに選び、情報テクノロジサービス企業であるInfoEtherをスポンサーに付けたそうだ。

「この成長ぶりには私たちも驚いています。このプロジェクトの数は、Ruby言語への関心の急速な高まりを表していると思います」。

Rolling Gemstone

過去10年間、WindowsとC++言語だけで開発を行ってきたTremblayは、今年の初めに、自分が必要としているものを探そうと他の言語やOSを調べ始めた。そしてThe Pragmatic Programmerなどの書籍でRubyを知った。

TremblayのプロジェクトであるRolling Gemstoneは、RoRを基盤とするe-zineエンジンであり、Typoなどのウェブログに倣って作られている。彼によれば、このソフトウェアは特集記事、記事、コラム、および投書など雑誌の発行物を管理するためにセットアップされる。このエンジンの名前は、かつて反体制文化の先駆的なロック雑誌だったRolling Stoneと、Rubyのプロジェクトに付けられたGemsという名前を組み合わせて考えたものだそうだ。

「まだ勉強中なので、少しずつプロジェクトを進めていこうと考えています」とTremblayは言う。彼がRolling Gemstoneにかかれるのは空き時間だけだ。Rubyが面白そうなので、この”教育的プロジェクト”をやってみることにしたそうだ。

「実際にRubyを使った時間はまだほんのわずかですが、それでも仕事中にC++でコードを作成していて、”このコードはRubyならもっと簡単に作れる”と思うことがあります。より簡潔に、同じコードを繰り返すことなく作成できるのです」。

言語というGem(宝石)

Andy Huntと一緒に”Pragmatic Programmer”シリーズの書籍を執筆しているDave ThomasはRubyについて、1995年のデビュー以来着実に成長しており、昨年RoRがリリースされて一気にブレイクしたこと、またその理由として、Rubyが多くの点で使いやすく、プログラミングにかかる時間が大幅に短縮されることなどを説明してくれた。

Javaは企業アプリケーションの標準プログラミング言語として広く認められていますが、かつてのJavaの信者たちと話をすると、彼らの多くはRubyに移ろうとしているか、少なくともそれを検討しているようです。なぜなら、Rubyを使うとソフトウェアの開発期間が数ヶ月から数週間に短縮されることも少なくないからです。彼らの意見は一様に、RubyとRoRを使うと、Javaを同じように使う場合に比べて5倍から15倍も効率が上がるというものでした」。

「それなりの規模のコードをJavaで作った人なら誰でも、Javaがもはや楽しい言語ではなくなったことに気付いています。プログラマはコーディングがまた楽しくなるような環境へと動きますが、コーディングというものは、生産的でなくては楽しくありません。そして、そのような言語に出会ったにもかかわらず、アプリケーション開発に使用しないのは、怠慢だと言われても仕方のないことです」。

RubyはYukihiro Matsumotoという日本人によって1993年に作成され、1995年にリリースされた。当時、日本は不景気でそれほど仕事がなく、彼は何かやることを探していた。人々がこれを使っていることが今でも信じられないとMatsumotoは言う。彼は4,000人近くのプログラマがRubyForgeで、あるいはRubyを使い始めた企業で開発していることにも非常に驚いている。

「何か面白いものを作ろうと思って始めました。Rubyは私だけのためにデザインされた、道具箱の中のおもちゃだったのです。私たちがプログラミング言語を選ぶ際に何を優先するかがこれほど似通っているとは意外でした」。

MatsumotoもThomasやKilmerと同じく、今年のRubyブームの火付け役になったのはRoRだと指摘する。コミュニティが新しい人を歓迎し、何が行われるかを気軽に眺められるような雰囲気を作れば、多くの人がコミュニティの言語をより利用しやすくなるというのが彼の考えだ。

Matsumotoほか数人を中心として、RubyForgeを含むRubyコミュニティはフレンドリで感じが良く、互いに助け合おうという雰囲気が作られているとThomasは言う。”ディスカッションは礼儀正しく”というのがここでのルールであり、これは専門家どうしの高度な内容のスレッドにおいても同じだ。また、質問をして激しく批判される人もいない。

Tremblayは経験豊富なプログラミング専門家やアーキテクト、Rubyを調査や趣味の目的で使う多くの人たちなど、さまざまな開発者が集まって成長を続けるコミュニティの一員だとKilmerは言う。最近は専門家たちが仕事のためにコミュニティに参加するようになったが、彼らもまた、空いた時間にRubyForgeにあるオープンソース・プロジェクトを利用して、Rubyコミュニティに貢献しているそうだ。

「Rubyは最も多様な開発者が集まるコミュニティの1つです」とKilmerは語った。「誰もが、他のコミュニティでは見られないほどRubyとRubyForgeを共に楽しんでいるようですよ」。

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