ターボリナックスなど4社が提携、新しい統一Linuxプロジェクトを発表
この共通コアは2005年第1四半期にリリースされ、「Conectiva Enterprise Server」、「MandrakeSoft Corporate Server」、「Progeny Componentized Linux」、「Turbolinux Enterprise Server」にそれぞれ組み込まれる予定だ。
似た発想に基づいた動きとして想起されるのが、ドイツのSuSEリナックス、米国のカル デラ・インターナショナル[その後、SCOグループに改名]とコネクティバ、ターボリナックスの4社によって2002年5月に開始された「UnitedLinux」統一UNIX作成プロジェクト である。同年11月には「UnitedLinux 1.0」が発表され、それをベースにした製品を4社それぞれが投入した。
しかし、SCOグループが2003年5月に、SCOのSystem V Unixコードの一部をIBMがLinuxへ不正に組み込んだとして今や悪名高き訴訟をIBMを相手取って起こしてから、UnitedLinuxプロジェクトは危うくなった。一方、ターボリナックスの所有者が入れ替わって、米国市場からはほとんど撤退したことも、UnitedLinuxの不安定性を助長している。[注:当初のターボリナックスは米国に本拠を置いていたが、2002年夏に資金繰りに行き詰まり、その社名と「Turbolinux」のロゴ、トレードマークなどの商標権を含めたLinux事業すべてと日本の子会社は日本の株式会社SRAに譲渡された。SRA傘下のターボリナックスは、日本に事業を集約し、中国・北京と米国・サンフランシスコに海外拠点を持つが、重点はアジア市場に置くようになった。さらに今春、ターボリナックスはSRAからライブドアに株式交換によって譲渡され、その傘下に入っている。]なお、2003年末に、ノベルがSuSEリナックスを買収し、自社の一部門とした。
Linux Core Consortiumの4社は、その取り組みはオープンな開発プロジェクトであり、 関心を持った他のLinux企業の参加を歓迎すると述べている。業界1位のレッドハットと2位のSuSEも誘われたが、現時点では参加しないことにした。ただし、両社は、標準化努力 とLSBを支持すると表明している。
業界アナリストたちは、4社の提携は前途名難と見ている。
ロバート・フランシス・グループ(コネチカット州ウェストポート)のアナリスト、ス テイシー・クアント氏は「その目指すところはよく理解できる」が、すでにレッドハットとSuSEがソフトウェア・ベンダーに必要とするLinuxプラットフォームを提供しているた め、「ベンダーのサポートを得られないと、限られた成功しか収められないだろう」と語 っている。
イルミネータ(ニューハンプシャー州ナシュア)のアナリスト、ゴートン・ハフ氏も同 意見で、「問題は流通規模だ」と述べた。レッドハットとSuSEは流通規模の大きいLinuxディストリビューターであり、ハードウェア・ベンダーやソフトウェア・ベンダーは、 自社の製品ラインが希薄になるのを避けるために上位1つもしくは2つのLinuxブランドだ けをサポートしたいと考えているため、「そこへ、3番目のものを作ろうと考えているとこのグループが言ってきても、すぐに独立系ソフトウェア・ベンダーがUnitedLinuxの場合 と同じような大きな関心を示すとは思えない。これが大きな一石を投じるものになるかど うかは疑わしい」と、同氏は語っている。
(Computerworld)