Macromedia Flash 7のライセンシング:悪魔は細部に潜む
Macromediaのエンドユーザ使用許諾契約(EULA)の条件下では、Playerを1台のコンピュータにしかインストールできない。あなたが複数のコンピュータを持っているなら、残念でしたと言うしかない。EULAはWindows、Mac、Linux、Solarisのデスクトップ・マシン以外へのインストールを明確に排除している。ラップトップにインストールしようとしても、それはEULAで許されない。その他のモバイル・コンピューティング・デバイスへのインストールも同様だ。
そんなバカな、と思うかもしれないが、これだけではない。ソフトウェアのインストール時に契約条件に同意するよう求められるが、その中には次のような条件も含まれている。
2. お客様は、お客様の本ソフトウェアの使用について、Macromedia社が適切な通知を行った上で 、いつでも本契約遵守の確認のために監査することに同意するものとします。お客様の本ソフトウェアの使用が本契約の条件に少しでも適合していないことが検査で明らかになった場合は、お客様は不適合の結果として生じるお客様の債務に加えて検査に関連したすべての合理的な経費をMacromediaに弁済するものとします。
配布に問題があるのか?
NewsForgeはWarren Woodford(MEPIS Linuxディストリビューションの創設者)から、Flash 7 Playerの再配布に対する制約に気づいているかどうか尋ねられた。我々は気づいていなかったが、調べてみた。MacromediaのWebサイトによると、そうした配布はWindows PCに限られ、Linux、Mac、SolarisのバージョンのISVやベンダには許されていない。Warrenは次のように語った。
MacromediaがWebサイトに掲げている現在の契約条件を固守するのであれば、ユーザがMacromediaのサイトから得られるインストーラ・パッケージを使ってFlash 7を自力で簡単にインストールできるよう、私は何らかのインストーラ・ヘルパーを作成しなければならないだろう。もし必要なら、他のプレーヤについてもそうしようと思っている。Linuxに対して賢明なアプローチをするようMacromediaに諭す機会があったなら、NVIDIAのEULAを見てくれと言うのだが。このEULAではLinuxをはっきりと特別扱いしており、彼らのドライバの再配布を――それらのコンポーネントが(EULAも含めて)修正されていない限り――許可している。
MacromediaのWebサイトに現在表示される、Flash 7 Playerの配布に関する条件は非常に明快だ。そこでは次のように言っている。「MacromediaのフリーなFlash PlayerとShockwave Playerの配布プログラムは、もっぱらWindows PC(Windows 95、98、2000、NT、ME、XP)を対象にしたISP、企業、およびソフトウェア開発者のために作られている」
Linux版のFlash 7について報じたプレスリリースには、Novell、Red Hat、およびTurbolinuxからの支持の言葉も載っていたので、なんだか奇妙な感じを受けた。Macromediaに疑問をぶつけたところ、広報担当者のSandra Nakamaから次のような返答があった。
当社は、プレスリリースに記載されている企業がFlash Player 7を配布できるようなカスタム契約を結ぶべく、彼らと共同作業を行ってきた。このプレーヤをリリースした以上、LinuxデスクトップでのFlash Playerの再配布に対する当社のサポートに合わせて、オンライン・ライセンシング契約を改訂するつもりだ。
そういうわけで、LinuxでのFlash 7の再配布を制限するライセンシング問題は再検討され、取り除かれる見通しだ。とはいえ、個人使用に関しては、複数のマシンとラップトップでの使用が制限されていることを心に留めておくべきだ。これを守っていないと、監査で痛い目に遭う可能性があるのだから。