オープン・アジア:フィリピン、サウジアラビア、韓国、シンガポール

前回に引き続き、アジア諸国におけるオープンソースソフトウェアの利用状況を国別にレポートする。今回はフィリピン、サウジアラビア、韓国、シンガポールを取り上げる。

フィリピン

フィリピンには、Bayanihan LinuxというGNU/Linuxローカル・ディストリビューションがある。ユーザグループ Bluepoint Linux Users Eliteは、Total Linuxトレーニング・プログラムを提供している。ユーザグループは、他にQuezon CityのKatipunan Avenue Linux Users GroupとマニラのPhilippine Linux Users’ Group(PLUG)がある。フィリピンは、Roberto Verzola(国民のネット参加を長年推進する活動家)のような市民運動支持者の本拠地でもある。

Quezon Cityのフィリピン大学(University of the Philippines)総長Dr. Francisco Nemenzoは、ある公開書簡の中で、ユーザが「Linuxオペレーティングシステムをインストールし、OpenOfficeまたはStarOfficeを利用してワープロ文書、(中略)プレゼンテーション、スプレッドシート、データベースなどを作成し、メールを送信し、インターネットにアクセスする」ことを擁護している。

最近、グリーンピース東南アジア支部(在フィリピン)は、Linuxデスクトップへの移行を開始した。

サウジアラビア

Saudi Computer Society会長にして、中東でも最も有名なコンピュータ・セキュリティ専門家であるDr. Khaled Al-Ghonaimは、セキュリティ分野におけるクローズソース・ソフトウェアへのFLOSSの優位性を持論とする。

最近、RiyadhのKing Saud Universityに在籍する学生Moath Abdullah Alkhalafは、同校におけるLinuxアラブ語化に関する研究論文(Abdullah Al Shalanと共同執筆)の完成を発表した。

サウジアラビアには、Saudi Linux User Group(SLUG)、Hassani LUGなどのLinuxユーザグループがある。

韓国

昨年LinuxPRに発表されたリリースによると、 韓HancomLinux社は、韓国政府の調達庁(Central Procurement Office)向けに「年内にデスクトップLinuxオフィス・パッケージを12万セット出荷」した。この導入が高い実績を上げたことは疑えない。その証拠に、今月のSilicon.comの報告によると、韓国政府は2007年までに相当な数のPCとサーバでプロプライエタリ・ソフトウェアをオープンソース・ソフトウェアに置き換えることを計画している。

韓国G.Mate社の GNU/LinuxベースのPDA製品Yopyは、現在、北米、フランス、オーストリア、英国で販売されている。2002年11月、Yopyは、世界各地のGNU/Linuxエキスパートの投票によりMunichのLinux Magazineの選ぶ優秀モバイル・ハードウェアデバイス第3位に輝いた。今月、同誌には詳細なレビューが掲載されている。

韓国国内では、多数のLinuxユーザグループが活動する。

シンガポール

IT AsiaOneの報告によると、シンガポール企業3社がLinuxを利用している。SingaLinuxはシンガポールを代表するFLOSS Webサイトであり、ユーザグループとしてはLinux User Group Singapore(LUGS)などがある。