専門家によるオープンソースの現状分析

LinuxWorld Conference & Expoの水曜日、米Forrester、米DH Browne、米Gartner、米IDCのアナリストが円卓を囲み、満場の聴衆を前にLinuxとオープンソースの現状について意見を交わした。

若干の重要なコンポーネントの欠如がLinuxの普及を妨げている、その点で彼らの見解は一致した。

アナリストがLinuxに欠けているものとして挙げたのは、エンタープライズ・ビジネスアプリケーションに対するISVのサポートだ(米PeopleSoftは際立った例外である)。米MicrosoftのVisual Studioが、オープンソースとして提供されている統合開発ツールのどれよりも優れていることに異を唱えるアナリストはいなかったが、Eclipseはかなり期待できると彼らは語った。

ForresterのTed Schadlerは、Linuxのことを「me-too(自分も)」デスクトップ・オペレーティングシステムと呼び、MicrosoftはWindowsに追いつこうと試みるすべてのOSを価格で圧倒し、退けてしまうだろうとも発言した。IDCのDan Kuznetskyは、作業をより楽しく直感的でゲームのようにするシナリオベースのコンピューティングモデルが、デスクトップ・オペレーティングシステムの進むべき正しい方向だろうと述べた。

KuznetsyとGartnerのGeorge Weissは、デスクトップがハンドヘルドデバイス(普及率の高いクライアント)のハブになりつつあると指摘した。デスクトップLinuxを前進させるには、こういった小型デバイスをサポートする必要がある、というのが彼の見解だった。

一方で、オープンソースには大きな長所がある。技術革新をすばやく、わけへだてなく行き渡らせることだ。UNIXのパワーと信頼性を、より低価格のIntelハードウェアプラットフォームにもたらしている。そして、コンピューティングのあらゆる分野の末端にあるデバイスで動作することから、組織は特定のハードウェアプラットフォームにしばられずに済むのだ。

もちろん、こういった専門家のご高説は割り引いて受け止めるのが無難だ。司会者のLarry Augustinが「Linuxはエンタープライズとの間にあった溝を越えたとお考えですか?」と問うと、あるアナリストは「”エンタープライズ”が何を指すかによります」と答え、別のアナリストは「”溝”が何を指すかによります」と答えた。この辺の抜け目なさが、企業があれほど気前よくコンサルタント企業に報酬を支払う理由である。