Foresight Linux、3分の2なら悪くない

 Foresight Linuxは、従来3枚の看板を掲げてきた。すなわち、使い勝手、Conaryパッケージ管理システム、最新版GNOMEの3つだ。最新版の2.0.4で見ると、実際には、GNOMEベースのほかのディストリビューションと比べて使い勝手がいいというほどではなく、敢えて言えば、ソフトウェアの選択とパッケージ管理に難がある分だけ劣るだろう。しかし、ほかの2枚の看板は、現代のディストリビューションの中でもForesightをして特徴的ならしめるに十分だ。

知名度の低いGNOMEのパネルアプレット群でデスクトップ環境を改善する

 GNOMEデスクトップ環境には、デフォルトで一連のパネルアプレットが付属している。使っているディストリビューションのリポジトリやインターネットで少し検索すれば、正式にはGNOMEに採用されていない追加のアプレットがいくつか見つかるはずだ。もしかすると正式なものに劣らず便利なものがあるかもしれない。ここではそうしたアプレットのいくつかを簡単に紹介する。

ユーティリティと標準アプリケーションに注力したGNOME 2.22

 定評のあるデスクトップ環境の最新版、 GNOME 2.22 が先週リリースされた。予想したとおり、機能面の手直しとデフォルトアプリケーションの追加が行われている。このリリースで注力されている部分があるとすれば、EvolutionやArchive ManagerのようなGNOME標準アプリケーションへの機能追加やアクセシビリティの向上が見られる各種ユーティリティと、新たに導入されたひと握りの簡易アプリケーションだろう。大がかりな変更はほとんど見当たらないが、数十項目に及ぶわずかな機能強化の積み重ねによってGNOMEの使いやすさが大幅に向上した、というのが全体的な印象だ。

Mozillaその他の協力を確保したGNOMEのユーザ補助機能サポート向上プログラム

 近年GNOME Foundationは、障害者ユーザによるコンピュータの利用を支援するためのユーザ補助機能に関心を寄せるようになっている。またMozilla FoundationもGNOMEの審議会に参加することで、GNOMEにおけるWebアクセス機能の向上および同プロジェクトの長期戦略に協力し、XUL開発プラットフォームとGNOMEとの統合促進を支援しつつある。しかしながらより重要な出来事は、GNOME Foundation、Mozilla Foundation、Novell、Google、Canonicalの協同出資により、GNOMEにおけるユーザ補助機能の充実化を目的とした50,000ドル相当の援助プログラムが立ち上げられたことであろう。

Parsix――GNOMEに独自の味付けを加味したペルシア生まれのディストリビューション

 先月、約1年の開発期間を経た成果として Parsix Linux ディストリビューションの1.0リリースが行われた。Parsixは、Debian GNU/Linuxのテストブランチを基にしてKanotixコンポーネントの一部を流用した、GNOMEベースのディストリビューションである。その仕上がり具合は、Ubuntuに拮抗しうる魅力的な代替候補の1つと評していいだろう。

Linux上でマウスジェスチャーを使う

 私がマウスジェスチャーを初めて使ったのはOperaブラウザ上で意図せずしてであったのだが、メニューを使ったりナビゲーションツールバーにマウスを移動させたりしなくても、ブラウザ履歴の前後のページへ移動したり、新規ウィンドウを開いたり、タブを閉じたりするなどの様々なことを素早くすることができるので、すぐに気に入ってしまった。今やマウスジェスチャーはFirefoxやKonquerorでも使うことができるだけでなく、GNOMEやKDEデスクトップ環境でも使うように設定することができるようになっている。

GNOME Doのもたらすアプリケーション/ファイル検索の新境地

 近年、Linuxシステムで使用可能なアプリケーション数が爆発的に増加しているが、メニュー画面を何層も何層も移動させられるのはお世辞にも楽しい作業とは言えない。また同様に、頻用するファイル群を一箇所に集めておくとアクセスが便利になるが、こうした手法もファイル数が増えるに従い目的のファイルを探し出すのは徐々に難しくなっていく。その点Macユーザの場合は、Blacktree Softwareから提供されているQuicksilverというMac OS X用ユーティリティを使うことで、ファイルやアプリケーション名の先頭数文字を入力するだけで一致度の最も高い候補をランチャ上にポップアップさせることができ、非常にうらやましい限りだ。もっともこのQuicksilverも最近オープンソース化されているため、Linuxユーザとしてはその早期の移植を歓迎したいところだが、実はこの種のクローンツールは、KDE用のKatapult(本サイトでも昨年7月に紹介)およびより新しい GNOME Do という2つが既に存在しているのである。

OOXMLに反対するKOfficeの立場は政治的ではなく実際的~KOffice開発者

 GNOME FoundationがODFを切り捨てMicrosoftのOOXML形式を支持していることを非難した最近の記事翻訳記事)の中で、KDEはその反証として示されている。またRichard Stallman氏もKDE Newsの記事を引用して「多数のKDE開発者がOOXMLの拒否を宣言している。GNOME開発者もそうするべきではないか」と提案している。またつい最近では、広く参照されているITWireの記事も、同じ記事を指してKDEはOOXMLに反対して自らの主義主張を貫いたと報じている。しかし当の開発者に聞いたところ、実際のところは上記のような報道とは微妙に異なるようだ。

GNOME/OOXMLポッドキャストにさほどの対立はなかった

 電話回線に技術的な問題が発生したにもかかわらず、GNOME FoundationのJeff WaughとBoycott Novellサイトの共同設立者であるRoy Schestowitzが参加したLinux.comのライブポッドキャストは、Microsoft OfficeのOpen XML(OOXML)文書フォーマットをECMA標準にしようとする活動へのGNOMEの関与を議論したがっている多くの聴衆を集めた。 BlogTalkRadioでのLightning StrikesショーでRod Amisがホスト役を務め、Linux.comの編集長であるRobin Millerと私が質問を行った議論により、この問題における両者は、以前に思われていたより近い立場であることがわかった。

GNOME FoundationによるOOXMLの擁護とそれを取り巻く波紋

 GNOME Foundationに対しては昨今、OpenOffice.orgやKOfficeなどのフリーソフトウェア系オフィスアプリケーションで利用されているOpen Document Format(ODF)というオープン標準を切り捨てる形で、MicrosoftのOffice Open XMLフォーマット(OOXML)のECMA標準としての採用に肩入れをしているとする批判が展開されており、先日同Foundationから出されたステートメントは、こうした批判に反論するためのものである。この論理的反論としてのステートメントが、沸き上がった感情論や背信者としての批判を和らげる方向に機能するのかは、神のみぞ知るといったところであろう。

Nautilusにユーザ独自のコンテクストメニューを追加させるNautilus-actions機能拡張

 GNOMEデスクトップ環境におけるデフォルトのファイルマネージャであるNautilus用のプラグインおよび機能拡張は何十個も存在しているが、Nautilusのコンテクストメニュー用アイテムを変更できるものは1つしか存在していない。それがNautilus-actionsという機能拡張で、これを利用するとコンテクストメニューにユーザ独自のカスタムアイテムを追加することができ、例えばファイルタイプごとに固有な操作オプションを、当該ファイルの右クリックで表示されるコンテクストメニュー中に追加するといった設定が可能となる。

著しい進歩を示すGNOME 2.20

 GNOME 2.20が昨日(9月19日)リリースされた。私は普段からGNOMEを使用しているのだが、通常は新リリースに対して特にわくわくすることはない。というのも、GNOMEのたいていの新リリースは実質的には前バージョンとほとんど変わらず、行なわれた作業の大部分は表面的には目に付かないものだからだ。しかしGNOMEの今回の新リリースには、新機能やアップグレードが数多く含まれている。そのため特にGNOMEデスクトップ環境の熱狂的なファンというわけではなくても注目に値する。

GNOME 10周年、de Icaza氏とWaugh氏インタビュー

 GNOMEプロジェクトが始まったのはつい昨日のことのように感じるが、実はMiguel de Icaza氏がプロジェクトを開始してからもう10年になる。de Icaza氏は最近は主にMonoに取り組んでいるものの、GNOMEコミュニティは進歩を続けている。今回GNOMEの歴史を振り返り今後を見通すため、de Icaza氏と長年のGNOME貢献者でありGNOME Foundationの理事を務めるJeff Waugh氏に話を聞いた。

PessulusでGNOMEデスクトップの機能を制限する(手軽なキオスク端末作成ツール)

 会議参加者向けのキオスク端末など、誰でも利用できるマシンにおいてユーザが使える機能を制限する方法を探してはいないだろうか。いたずらや悪意でシステムに手を加えようとする者を放っておきたくはないはずだ。GNOME環境を利用しているなら、GNOMEデスクトップ用のロックダウンマネージャであるPessulusというツールが利用できる。

GNOME Mobile and Embeddedイニシアチブが本格始動

 本日(4/19)、GNOME Foundationはカリフォルニア州サンタクララで開催中のEmbedded Linux ConferenceでGNOME Mobile and Embedded(GMAE)イニシアチブに関する発表を予定している。このイニシアチブの狙いは、組み込みおよびモバイルの開発プラットフォームとしてのGNOMEの利用を支援することにある。創設には、ACCESS、Canonical、Intel、Debian、Nokia、Red Hat、Fluendo、Linux Foundation、Maemoといったオープンソースの組織や営利企業が携わっている。