Python高速実装のPyston開発チーム、米Anacondaに加入

 Pythonの高速な実装「Pyston」の開発チームは8月30日、米Anacondに加わることを発表した。米Dropboxが支援を打ち切って以来スポンサーを探していたが、オープンソースへのコミットが決定の決め手になったという。

 Pystonは米DropboxのプロジェクトとしてスタートしたPython実装。CPython 3.8.8のフォークで、性能の最適化を図るための機能を加えた。オーバーヘッドが少ないJIT実行エンジン、属性のキャッシュなどにより、30%程度の高速化が図れるとしている。最新版は、7月に公開したバージョン2.3。2017年にDropboxが支援を打ち切ったことを受け、2020年に独立したチームとして再スタートを切った。同時に、スポンサー探しを続けていた。

 今回、Pystonプロジェクトを率いていた2人の開発者(Kevin Modzelewski氏とMarius Wachtler氏)はAnacondaに加わる。2人はプロジェクトの開発に合わせて、ユーザー、貢献者、メンテナーのコミュニティ形成も進める。

 Anacondaは「Numba」などオープンソースのPythonソフトウェアの開発で知られており、今後はPystonの開発を高速化できるとしている。Anacondaに入った後も、PystonはCPythonと同じPython Software Foundation Licenseで公開するオープンソースプロジェクトとして継続する。すでにAnacondaのcondaコマンドの統合などを予定しているが、condaの使用を強要することはないという。また、NumbaとPystonの機能統合についても可能性を検討するとしている。近い将来、プロジェクトの短期ロードマップを発表する予定だ。

米Anaconda
https://www.anaconda.com