MozillaとRust Core Team、Rustの非営利団体を立ち上げへ
Mozillaのプログラミング言語「Rust」を開発するRust Core TeamとMozillaは8月18日、独自の非営利団体を立ち上げることを発表した。Mozillaの大規模なリストラ計画を受け、Rustプロジェクトの安定を図る。
Rustは2010年にMozilla Researchでスタートしたプログラミング言語プロジェクト。米Amazon Web Servicesのサーバーレスコンピューティング向け仮想化技術「Firecracker」、米FastlyのWebAssemblyコンパイラ「Lucet」など様々なプロジェクトで用いられている。
Rust Core Teamによると、2015年の正式版(バージョン1.0)公開以来、Mozillaとは独立した形でプロジェクトの方向性とガバナンスを構築し、開発を進めてきた。2019年より、Mozillaから独立したRust Foundationの立ち上げに向けて調査を進めてきたというが、Mozillaが8月11日に発表した組織再編計画が後押しとなり、正式に立ち上げを発表した。Mozillaは約250人規模の人員解雇計画を明らかにしているが、この中にはRustプロジェクトやコミュニティにアクティブに参加しているメンバーも含まれるという。この再編計画がプロジェクトとしてのRustに対する不確実性を生んでいることから、非営利団体立ち上げを急ピッチで進めることにしたようだ。
なおRustにはMozilla外部からの貢献も多く、Mozilla内部の開発者の多くも余暇を使って参加しているため、Mozillaの再編計画によりプロジェクトが大きな影響を受けることはないとしている。
新しく立ち上がる非営利団体では、Rust、Rustのパッケージ管理技術Cargo、crates.ioが関係したドメイン名と商標の管理などを行う。Rust Core Teamは非営利団体設立に向けたプロジェクトグループを結成しており、年内に立ち上げを目指す。