「GNU Binutils 2.32」リリース

 リンカやアセンブラといった開発ツールを提供するGNU Binutils開発チームは2月2日、「GNU Binutils 2.32」の公開を発表した。

 GNU Binutils(GNU Binary Utilities)はバイナリプログラムの構築と管理のためのツールセット。GNUリンカーのld、GNUアセンブラasなどが含まれており、GNU Compiler Collectionなどと併用される。

 GNU Binutils 2.32は2018年7月に公開されたバージョン2.31に続く最新安定版。

 プロセッササポートでは、C-SKYプロセッサのサポートが加わった。x86アセンブラでは、VEX.W-ignored (WIG) VEX命令セットのエンコードを管理できる-mvexwig=[0|1]オプション、x86 GNUプロパティノートの生成を管理する-mx86-used-note=[yes|no]が利用できるようになった。MIPSアセンブラも強化し、Loongson EXTensions R2(EXT2)命令セットなどのサポートが加わっている。

 BFDリンカーでは、GNUプロパティをマージ時にリンカーマップファイルにおけるプロパティの変更を報告するようになった。また、-tオプションも強化し、アーカイブ内のメンバーをレポートしないようになった。リンカーバグレポート向けにパッケージするファイルリストを生成時に有用としている。高速でELFのみのGOLDリンカー(ベータ扱い)でも強化が加わっている。

 GNU Binutils 2.32はプロジェクトのWebサイトより入手できる。

GNU Binutils
https://www.gnu.org/software/binutils/