「Kubernetes 1.4」リリース、初期設定を容易にしたほか多くの機能強化を導入

 コンテナオーケストレーションツール「Kubernetes」開発チームは9月26日、最新版となる「Kubernetes 1.4」を公開した。設定やインストールの簡素化、リージョンとクラウドをまたいだ連携機能、ステートフルアプリケーション対応など、多数の強化が図られている。

 KubernetesはGoogleが開発するコンテナの実装、拡張、運用の自動化ツール。分散されたホスト上でコンテナを容易に活用できる。

 Kubernetes 1.4は、2016年7月に公開されたバージョン1.3に続く最新版。設定と使い勝手の強化に注力した機能開発が行われた。パブリック、プライベート、ベアメタルとあらゆるクラウドで容易にKunerbetesが利用できるように、導入用ツール「kubeadm」を導入した。これによって利用前のクラスタのブートストラップを2つのコマンド(kubeadm initとkubeads join)だけで行えるようになった。

 インストールも簡素化し、Red Hat Enterprise LinuxやUbuntuといった主要なLinuxディストリビューションでapt-getやyumなどのパッケージ管理ツールによるインストールが可能になった。アドオンについても、「DaemonSet」機能を利用して1コマンドで利用可能になるという。APIの認証も簡素化し、TLS Bootstrapというノードエージェントを利用して認証や新しいAPIの発見ができるようになった。

 ステートフルアプリケーションのサポートも進んだ。バッチ処理、データベース、キーバリューストアなどのアプリケーションでの利用に向けたもので、バッチジョブを定期的に行うScheduled Job(アルファ版)、メインのアプリケーションをスタートする前にコンテナを動かすInit-containers(ベータ版)などを導入した。Dynamic PVC Provisioningはベータになった。

 リージョンとクラウドをまたいだクラスタでのアプリケーション構築のために、クラスタフェデレーション(連携)APIを導入した。レプリカを一部/全クラスタに拡大する「Federated Replica Sets」(ベータ)を導入したほか、クラウドサービス内に構築したクラスタフェデレーションで利用できる単一のL7ロードバランス化されたVIP(仮想IPアドレス)を作成できる「Federated Ingress」もアルファとして導入した。Federated IngressはまずはGoogleのクラウド(「Google Cloud Platform」)に対応する。

 セキュリティも強化し、インフラ関連ではスケジューラ、ストレージ、クライアントなどの機能を強化した。Dashboard UIも改善し、コマンドラインインターフェイス(CLI)の90%の機能を網羅するという。

Kunernetes
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