Node.jsからフォークした「io.js」の最新版、「io.js 3.0」リリース。最後のリリースとなるか

 Node.jsからフォークしたJavaScriptプラットフォーム「io.js」の開発チームは8月4日、最新版となる「io.js 3.0.0」をリリースした。Node Foundationとの統合に向けて作業を進めており、バージョン3.0系はio.jsプロジェクトからリリースされる最後のバージョンとなりそうだ。

 io.jsは2014年末に米JoyentのNode.js開発の方向性に不満を持った開発者らが立ち上げたプロジェクト。Node.jsと一定の互換性を保ちつつ、より頻繁に予測可能なリリースを行うこと、JavaScript実行エンジンであるV8最新版のサポートなどを特徴とする。その後Node.js側が非営利団体としてNode Foundationを設立し、ガバナンス体制を整えたことを受け、プロジェクトは5月にNode Foundatonへの参加を明らかにしていた。

 io.js 3.05月に公開されたio.js 2.0に続くメジャーバージョンとなり、Node Foundationとの統合前の最後のリリースとなると予想される。

 V8はバージョン4.4.63.26にアップデートされた。これにより、Computed Property Namesの有効化、StrictモードでのArrayのサブクラスなどECMAScript 6(ES6)の仕様をサポートし、PPC(PowerPC)のサポートが加わった。また、V8のUnit8Array上でのBufferオブジェクトの再実装が必要となったとし、性能へのインパクトを最小限にするよう工夫をしたものの、Bufferのインスタンス化は遅いと警告している。また、BufferはコンストラクタとしてArrayBufferを受け付けられる。

 また、V8の変更に伴ってAPIの提供が不可能になったことを理由に、smallocモジュールを削除した。replでは、履歴の永続化がデフォルトで有効になった。tlsでは、TLSセッションキーのローテーションによってserver.getTicketKeys()とserver.setTicketKeys()が加わった。

 io.js 3.0はWindowsおよびMac OS X、Linuxなどに対応、プロジェクトのWebサイトより入手できる。

io.js
https://iojs.org/