AzureとSoftLayerとの連携をサポートした「OpenNebula 4.8」リリース

 OpenNebula Projectは8月12日、オープンソースで開発されているクラウド環境構築・管理ツールの最新安定版「OpenNebula 4.8」(開発コード「Lemon Slice」)をリリースした。ハイブリッドクラウド機能で「Microsoft Azure」と「IBM SoftLayer」のサポートが加わり、管理ポータル機能も強化した。

 OpenNebulaはInfrastracture as a Service型クラウドおよび仮想データセンターインフラの構築や管理を行うためのインフラストラクチャ基盤ソフトウェア。軽量、信頼性、拡張性、高いカスタマイズ性などを特徴とする。VMwareのvCloudの代替としての利用や、クラウドホスティング事業での利用、ハイブリッドクラウドの管理、高性能コンピューティング・クラウドの構築、通信事業者向けのクラウド実装といった用途で利用できる。

 OpenNebula 4.8は2013年5月にリリースされたバージョン4系の最新版となり、バージョン4.6をベースに新機能の追加や機能強化を図った。

 新機能としては、管理ポータル「Sunstone」で追加されたエンドユーザー向けのセルフサービスビュー「Cloud View」がある。これを利用して新しい仮想マシンのプロビジョニングを行ったり、内部接続された仮想マシングループを制御できる。管理者向け機能としては仮想データセンター管理者向け「VDCAdmin View」が用意され、ユーザーとリソースを管理するためのより詳細かつ全体的なビューが提供される。

 構築したクラウドと外部のパブリッククラウドサービスを組み合わせるハイブリッドクラウド関連機能では、既存のAmazon EC2サポートに加え、Microsoft AzureとIBM SoftLayerのサポートが追加された。これにより、ローカルインフラの状態に合わせて仮想マシンにオフロードする選択肢が広がった。

 アプリケーション管理の「OneFlow」では、仮想マシンゲート機能の「OneGate」で仮想マシン間でのサービス情報の共有が可能になった。また、使用する仮想ネットワークなどの詳細をユーザー自身で定義できるようになり、管理者の手間が省略できる。

 コア部分では「Virtual Networks」や「Federation」、「Usage Quotas」を強化、中でも仮想ネットワークのVirtual Networksはデザインが一新され、仮想ネットワークの定義を柔軟にできるようになった。このほか、Cephドライバの改善、SunStoneでのマルチブートサポートなども強化点となる。

 OpenNebulaはプロジェクトのWebサイトより入手できる。

OpenNebula Project
http://opennebula.org/