Mozilla新CEOのEich氏、コミュニティからの反対を受けて約10日で辞任へ

 Mozillaは4月3日、3月末にCEOに就任したBrendan Eich氏の退任を発表した。Eich氏が過去に同性婚に反対する活動を行っていたことからコミュニティやスタッフの間で退任を求める声が上がっており、これに応じてのもの。次期CEOは決まっておらず、トップの役職が空いた形となる。

 Mozillaが15年前にMozillaプロジェクトを共同創業したBrendan Eich氏のCEO任命を3月24日に発表、それから11日目での退任となった。Eich氏はJavaScriptの開発者であり、Web全体へ影響力、Mozillaのミッション、技術と製品における知識などの理由でCEOに選ばれた。

 しかし、Eich氏が2008年にカリフォルニア州で同性愛者の結婚を禁じていた州憲法を無効とする改正案「提案第8号」に反対するために1000ドルを寄付していることなどから、Mozillaコミュニティから反対意見が出ていた。Mozilla社員も反対しており、3人の取締役会が辞任した。また、出会い系サイトのOkCupid.comがFirefoxを使ってアクセスするユーザーに対し競合するWebブラウザのインストールを勧める表示をするというMozillaボイコット運動を展開するなど、波紋が広まっていた。

 Eich氏とMozilla会長Mitchel Baker氏は連名で25日、多様性についての声明文を発表、同性愛婚が認められていない州での同性事実婚者にも同レベルの福利厚生を提供していることをアピールしていた。

 Eich氏とMozillaを共同創業したBaker会長は、「Mozillaに期待しているように行動することができなかった。議論が湧き出たときにすぐにエンゲージすることができなかった。申し訳なく思っている」とコメントしている。Eich氏のCEO辞任については、「MozillaとMozillaコミュニティのための決断」と説明している。次のCEOについてはまだ議論中とのことだ。

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