言語指向プログラミングのIDE「MPS」、JetBrainsから

 チェコのソフトウェアベンダーJetBrainsは12月10日(チェコ時間)、言語指向プログラム構想に基づく新しい開発環境「JetBrains Meta Programming System(MPS)」のベータ版を発表した。5年の研究期間を経たプロジェクトで、今後は開発プロジェクトとしてコミュニティとともに開発を進める。

 MPSは、同社が2003年に研究プロジェクトとして開始した新しいコンセプトに基づく開発環境。言語指向プログラミング(LOP;Language Oriented Programming)構想に基づくもので、特定の用途や目的に特化したドメイン固有言語(DSL)など、新しいプログラム言語を開発したり、既存のプログラム言語に機能を追加して拡張できるという。

 言語固有のシンタックス問題を解決するためにAbstract Syntax Treeを上に加え、ここでコードをメンテナンスする。これにより、Javaなど他の言語とコンパイル可能なコードを生成できるという。

 JetBrainsでは、2006年より一部製品の開発にMPSを利用しているという。今回、これまでの経験とアーリーアダプタのフィードバックを得て、研究プロジェクトから開発プロジェクトに移行し、ベータ版を公開した。LOPは新しいコンセプトであるため、MPSに限定せずLOP全体についてコミュニティとディスカッションを進めていきたいとしている。

 MPSのベータ版は同社Webサイトでダウンロードできる。ライセンスは、Apache 2.0ライセンスを利用している。JetBrainsは今後、ベータ2を2009年1月にリリースした後、正式版を2009年第1四半期に発表する予定だ。

チェコJetBrains
http://www.jetbrains.com

「JetBrains Meta Programming System」ベータ版ダウンロード
http://www.jetbrains.com/mps/download/