最新Webブラウザ、Web標準への対応度は? 2ページ

最新Webブラウザの標準規格への対応を検証

 まずは、最新Webブラウザが備えている機能について比較してみよう。表2表3は、W3CおよびWHATWGが提唱する主な標準規格に対する、それぞれのWebブラウザの対応状況をまとめたものだ。それぞれの詳細についてはコラムを参照してほしいが、これを見るとIEのWeb標準対応が遅れていることがよく分かる。ただし、IE 7ではCSS 2.1への対応が大幅に向上し、IE8ではほかのWebブラウザと同等のCSS 2.1サポートが行われる予定とのことだ。

表2 Webブラウザごとの主要標準規格対応状況
Webブラウザ Firefox 3/3.1 IE6 IE7 IE8 Safari 3.1 Opera 9.6
CSS 2.1
CSS 3(ドラフト) × × ×
SVG 1.0/1.1 × × ×
HTML 4.01
HTML 5.0(ドラフト) × ×
MathML 2.0 × × × ×
※「△」は規格の一部にのみ対応していることを示す

表3 各Webブラウザが対応するHTML 5.0規格
Webブラウザ Firefox 3 Firefox 3.1 IE6 IE7 IE8 Safari 3.1 Opera 9.6
canvasタグ × × ×
rubyタグ × × × ×
videoタグ/audioタグ × × × × × ×
Web Forms 2.0 × × × × × ×
Client-side database storage × × × × ×
Drag and Drop API × × × × ×

 また、IE以外は現在策定中の標準規格であるHTML 5.0やCSS 3への対応を少しずつながら始めている。たとえばHTML 5.0で規定される見込みの「canvas」は、JavaScriptでベクター画像を描画するものだ。これについても、IEが一歩遅れている、という状況である。なお、どのWebブラウザもCSS 2.1への対応を謳っているほか、CSS 3についても先行実装を始めている。しかし、対応するCSSプロパティはWebブラウザごとに異なるため、注意が必要だ。主要なWebブラウザが対応するCSS機能について記事末に表でまとめているが、CSS 1で規定されている機能についてはすべてのWebブラウザでほぼ対応が完了している一方、CSS 2.1で規定されている機能についてはIE6/7ではサポートされていないものが多い。

 さて、Webブラウザがどれだけ標準規格に対応しているかを検証するベンチマークとして、「Acid 2」および「Acid 3」がある。Acid 2はHTML 4.0やCSS 1.0、PNG、「data:」URLスキームにどれだけ対応しているかどうかを検証するもので、これらの規格に準拠していればAcid 2テストページにアクセスした際、図1のような「スマイルマーク」が表示される。いっぽう、規格に正しく準拠していない場合はスマイルマークが崩れて表示されてしまう。

 また、Acid 3はAcid 2の後継とも言えるベンチマークテストで、Acid 2の要件に加えてJavaScriptからHTMLドキュメント内の要素にアクセスする際に用いられる「DOM2」やECMAScript(JavaScript)、HTML 4.0、HTTP、CSS 2.0および2.1、CSS 3.0の一部、SVGへの対応がチェックされ、図2のように100点満点のスコアで対応度が表示される。

図1
図1 Acid 2のリファレンス描画
図2
図2 Acid 3のリファレンス描画
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