3Qの世界PC市場シェア、HPがDellをさらに引き離して首位を堅持

 市場調査会社のiSuppliは2007年11月29日、第3四半期の世界PC市場全体ではHewlett-Packard(HP)がDellを引き離し、ノートPC市場ではAcerがDellから第2位の座を奪ったとの調査結果を発表した。

 第3四半期の世界PC市場は前年から13.8%成長し、出荷総数は6,810万台に上った。昨年同期と同様にHPのシェアは19.2%へと上昇し、 14.6%で第2位となったDellに差をつけた。前年同期のシェアはHPが16.5%、Dellが16.3%で、今期はHPの躍進が目立つ格好となった。両社に続き、Lenovoが8.1%のシェアを獲得して第3位に入り、Acerは第4位、シェア4.3%の東芝が第5位となった。

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 Dellはこの2年間、収支報告書の再提出や経営陣の交代といったトラブルに見舞われたが、最大の問題はPC市場が世界的な拡大を見せるなか、他社と同等のペースで成長できなかった点にある。29日に同社が開催した記者会見でも、この点に議論が集中した。

 同社は、収入額は順調に伸びているものの、コストの高騰から利幅が縮小しており、また、金融業界の顧客がPC購入に慎重になっているため、今後は売上げが伸び悩む可能性があると警告している。会見後、Dellの株価は9.9%(2.78ドル)下がり、29日の終値は25.36ドルとなった。

 競合ベンダーはDellに吹く逆風を存分に利用した。HPは、CEO(最高経営責任者)のマーク・ハード(Mark Hurd)氏の指揮の下、目覚ましい業績を上げた。iSuppliの調査によれば、同社の第3四半期におけるPC出荷台数は前年比32.7%増の 1,310万台に達したという。一方、Dellは同1.5%増の990万台にとどまった。

 ノートPCに限定すると、AcerもDellの脅威となった。この市場で大きく伸びたAcerは、Dellからシェア第2位のポジションを奪った。また、ノート PCの好調が貢献して、Acerの第3四半期における成長率は68.8%に達し、全PCベンダー中トップとなった。

 AcerのPC市場全体でのシェアは7.9%だったが、ここには同社が買収したGatewayの業績は含まれていない。Gatewayの売上げは、第4四半期の収支結果から反映される。これが加われば、AcerとDellの差はさらに縮まると予測される。

 ノートPCは、これからもAcerの拠り所になると考えられる。この市場は、デスクトップPC市場より成長が速く、iSuppliの調査では、第3四半期におけるデスクトップPCの出荷台数が前年同期と比べ3.4%にとどまったのに対し、ノートPCは33.5%と大幅な増加を見せた。

 Goldman Sachsも11月28日、2007年第4四半期の世界ノートPC出荷予測値を、当初の前年比9%増から最大11%増へ上方修正しており、また、同社は、 2008年第1四半期のノートPC出荷実績は過去6年間で最高になる可能性を指摘した。なお、iSuppliでは、2007年の世界PC出荷は前年比 12%増になると予測している。

(Dan Nystedt/IDG News Service 台北支局)

iSuppli
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提供:Computerworld.jp