Microsoft、無料の企業向け検索ソフト「Search Server 2008 Express」を発表――有料版「Search Server 2008」は2008年上半期に発売予定

 米国Microsoftは11月6日、企業向け検索ソフトウェア「Search Server 2008」と「Search Server 2008 Express」を発表した。Search Server 2008は有料、Search Server 2008 Expressは無料で提供される。

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Search Server 2008 ExpressはMicrosoftのWebサイトからダウンロードできる(英語の評価版)

 Search Server 2008 Expressは、同社の「Office SharePoint Server 2007」に含まれる企業向け検索機能を取り出し、それらの機能をスタンドアロンのサーバとして無料で利用できるようにしたものである。

 MicrosoftはSearch Server 2008 Expressの特徴として「簡素化されたインストール/設定」を挙げている。同社は「システム構成や管理のしやすさを重視して設計しているため、インストールから実際に利用するまで30分程度で事が足りる」と説明する。

 もう1つの特徴は、横断検索(Federated Search)機能をサポートしている点だ。同社でエンタープライズ検索グループ・プロダクト・マネジャーを務めるジャレド・スパターロ氏によると、同機能はオープンソースの「OpenSearch」で構築されているという。ただし、SharePoint Server 2007の“目玉”である「人材や専門知識の検索」といったハイエンド機能は備わっていない。

 一方、有料版のSearch Server 2008について同社は、「2008年上半期中に発売する」としているが、価格やSearch Server 2008 Expressとの機能の違いなどは明らかにしていない。

 Microsoftのライバルである米国Googleは、検索アプライアンスの「Google Search Appliance」(大規模企業向け:3万ドル~)と「Google Mini」(小規模企業向け:1,995ドル~)を販売している。また米国IBMも昨年末、米国Yahoo!と提携して無料の検索ソフトウェア「IBM OmniFind Yahoo Edition」を提供している。

 スパターロ氏は「(Search Server 2008の価格は)最終決定していないが、競合他社製品と競争できる価格にする」と明言した。

 専門家はMicrosoftが企業向け検索ソフトを無料/低価格で提供することについて、他社に追随したものかもしれないが、遅すぎる行動ではないと見ているようだ。

 米国バートン・グループでアナリストを務めるガイ・クリーズ氏は、「Search Server 2008は技術的な観点から見ても競合他社製品にひけを取らない」と評価したうえで、以下のように語った。

 「Microsoftが企業向け検索ソフトウェア市場に本格参入することで、同社のパートナー企業がSearch Server 2008向けのサポートやサービスを提供するようになる。そうなればMicrosoftは多様なアプライアンスを提供できるようになるだろう」

(クリス・カナラカス/IDG News Service ボストン支局)

米国Microsoft
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提供:Computerworld.jp