Microsoft、廉価版オフィス・ソフト「Works」の新バージョンをリリース――Google対抗の「広告付き無料版」はとりあえず無し
Worksは長年、「Office」よりもローエンドに位置するオフィス・スイートとして提供されてきた製品である。ワープロと表計算ソフトに加え、いくつかのアプリケーションから成るが、Officeで提供される高度な機能の多くは含まれていない。ファイル・フォーマットについても、WordやExcelで使われる「.doc」や「.xls」とは違うものが使われている。
新版もその点に変わりはないが、Works 9の場合は、Office 2007の新しいフォーマットでネイティブにファイルを開いたり、保存したりすることができる。さらに、人気の文書テンプレートをベースに、タスク・ランチャのデザインが刷新されている。
Works 9はWindows XP/Vistaに対応するほか、32ビット版と64ビット版がある。すでにOEM先には49ドル95セントで提供されており、一般向けのWorks 9は39ドル95セントとなっている。
Works 9については、広告付きの無料ソフトウェアとして提供されるとのうわさが以前からあった。Google Docs&Spreadsheetsや「OpenOffice.org」などの無料オフィス・ソフトが関心を集めているのを受け、MicrosoftがWorksを対抗馬として投入するというのが、うわさの内容だ。実際、同社幹部がそうした計画について語ったとの報道もいくつかなされている。
Microsoftは広報担当者を通じて、この件に関するコメントを断っている。
ちなみに、Computerworldオンライン米国版編集部でWorks 9のOEM版を試したところ、簡単にインストールでき、製品のアクティベーション・キーは不要で、広告も一切表示されなかった。
米国NPDグループのアナリスト、クリス・スウェンソン氏は、MicrosoftがいずれWorksのホスティング版を提供すると予想している。ただし、デスクトップ版がすぐに姿を消すことはなさそうだ。「Worksを自分のハードディスクにインストールして使いたいと考えるユーザーは意外と多い」と同氏は語る。
なお、「Encarta Encyclopedia」や「Money」などのソフトウェアをバンドルした「Works Suite」については、年内で販売が打ち切られる見込みだ。Microsoftはその代わり、Works 9.0とOffice 2003を組み合わせた「Works Plus 2008」を投入するという。Works Plus 2008は8月半ばにOEM先に提供が開始される予定だ。
(エリック・レイ/Computerworld オンライン米国版)
米国Microsoft
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提供:Computerworld.jp