日本オラクル、企業内検索エンジン「Oracle Secure Enterprise Search 10g」の新版を発表――検索コネクタの追加で、多数のオラクル製/他社製アプリケーションを検索対象に

 日本オラクルは4月2日、企業内検索エンジンの新版「Oracle Secure Enterprise Search 10g Release 1(10.1.8)」および同製品で利用可能な検索コネクタの出荷開始を発表した。検索コネクタが多数追加されたことで、従来よりサポートしていた「Oracle Database」などに加え、オラクル製業務アプリケーションや他社製グループウェア、ECMなども検索対象にできるようになった。また、他社製ディレクトリ/アイデンティティ管理ソフトウェアに対応した「IDプラグイン」も新たに提供されている。

 Oracle Secure Enterprise Searchは、企業内の情報を統合しつつ、アクセス権に応じたセキュアな検索を実現する製品で、2006年3月に最初のバージョンがリリースされた。企業内検索エンジンが注目されている背景には、企業で扱う情報の増大により、ユーザーが業務に必要な情報にたどり着くまでに多大な時間を費やさざるをえなかったことがある。日本オラクルのシステム製品統括部 営業推進部 担当シニアマネジャーの三原茂氏は、Oracle Secure Enterprise Searchの営業部門での活用例として、同製品の導入により、全オペレーションのうち情報を探す手間が30%から10%に短縮され、営業部員が本来最も時間を割くべき商談時間を従来の25%から50%へと増加させることができるとした。

 今回、新バージョンで追加された検索コネクタにより、「Oracle E-Business Suite 11i」と「Oracle Siebel」のオラクル製業務アプリケーションや、IBMの「Lotus Notes/Domino」「DB2 Content Manager」「FileNet Content Manager」、EMCの「Documentum Content Server」、Microsoftの「Exchange」「SharePoint Portal Server」など他社製グループウェアおよびECMが、Oracle Secure Enterprise Searchの検索対象としてサポートされるようになった。

 加えて、IDプラグイン機能が備わったことで、オラクルおよび他社製のディレクトリ・ソフトウェアが提供するセキュアな認証機能がOracle Secure Enterprise Search上で利用可能になった。サポートされたのは、「Oracle Internet Directory」「Active Directory」「OpenLDAP」「Sun Java System Directory Server」の4ソフトである。

 三原氏は、こうした機能強化によりユーザーが、企業に散在する情報ソースに対して、物理的な統合作業を行うことなく、情報統合を行うことが可能になると強調した。また、同氏はその他のメリットとして、「例えば、E-Business Suiteの仕組みを知らなくても、企業内検索エンジンをそのナビゲーションに使うことで、ユーザーはE-Business Suiteに備わる豊富な機能を使いこなせるようになる」と話した。

 発表会では、SIerやユーザー企業がOracle Secure Enterprise Searchのカスタム・クローラを容易に開発できることもアピールされた。ネオジャパンは、同社の大規模企業向けWebグループウェア「desknet’s Enterprise Edition」のカスタム・クローラを開発しており、Oracle Secure Enterprise Searchからdesknet’s内のコンテンツを検索するデモが示された。なお、サイボウズも「サイボウズガルーン2」のカスタム・クローラを現在開発中であるという。

 このほか、オラクルのパートナーとしてOracle Secure Enterprise Searchの構築を手がけるNTTコムウェアが、同製品の自社での導入事例を説明した。同社エンタープライズ・ソリューション事業本部担当部長の山田哲夫氏によれば、今後、自社におけるOracle Secure Enterprise Search の運用経験を、同社がSIベンダーとして顧客に提供する際に生かしていくと語った。

(山上朝之/Computerworld)

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