EMC、デジタル著作権技術をDocumentumに統合

 米EMCは先週、コンテンツ管理ソフトウェアの新版「EMC Documentum Records Manager 5.3」と、デジタル著作権管理(DRM)の機能を組み合わせたパッケージ「EMC Documentum Information Rights Management(IRM)Services」を発表した。

 同パッケージに利用されているDRMの仕組みは、今年2月にEMCが買収したオーセンティカの技術だ。「この技術とRecords Manager 5.3の統合化により、Documentumリポジトリに保存された非構造化データにセキュリティ保護とパーミッション管理の仕組みを適用できるようになった」と、米国EMCのマーケティング・ディレクター、ルバー・プラセク氏は言う。

 EMCによれば、Documentum IRM Servicesのユーザーは、文書の利用履歴や監査証跡を完全なかたちで記録・保持できるようになるばかりか、コンテンツ/データに対するアクセスと使い方を管理することが可能になるもよう。

 「こうしたDRMの機能と、Documentumの技術が融合されることで、各種の法規制や企業ポリシーに沿ったデータ/コンテンツ管理が一層容易になる。また、法的に義務づけられた保管期間の終了時に、当該データ/コンテンツを確実に、また自動的に破棄・消去するような仕組みもスムーズに構築できるようになる」と、プラセク氏は語る。

 一方、今回の新パッケージについて、Documentumのユーザー企業はおおむね好意的だ。そうしたユーザー企業の1社で、オフィス用品やコンピュータ製品の流通を手がける米国コーポレート・エクスプレスの記録管理担当ディレクター、ビル・モリー氏は、「当社ではDocumentum技術を10年前から利用しており、現在、主にコンプライアンス上の理由から、デスクトップPC上のすべてのコンテンツを管理すべく、Documentum技術の全社導入を進めている。その中で、DRMは欲しかった機能の1つ。Documentum IRM Servicesについては、前向きに導入を検討したい」とする。

 また、米国調査会社IDCのアナリスト、メリッサ・ウェブスター氏も、「コンテンツ管理ソフトウェアとDRM技術の統合化は、コンテンツ管理のソリューションを強化するうえで当然の方向性だ」と語り、EMCの動きを評価している。

(シャロン・フィッシャー/Computerworld オンライン米国版)

米EMC
http://www.emc.com/

提供:Computerworld.jp