次世代メモリー:業界初の「MRAM」製品化、米フリースケール
米Freescale Semiconductorは10日(米国時間)、次世代メモリーの「MRAM」(磁性記
録式随時書き込み読み出しメモリー)の量産、出荷を開始したと発表した。製品化に成功したのは業界初。フラッシュメモリーと同様に電源を切っても情報が消えない「不揮発」のメモリーながら、より高速で消費電力が少なく、活躍が期待されている。
MRAMは、フラッシュの不揮発性とDRAMの高集積性、SRAMの高速性を兼ね備えるのが特徴。読み書き速度(アクセスタイム)は35ナノ秒で、フラッシュより大幅に速い。フラッシュは書き換え回数が数万〜数十万回までという制約があるが、MRAMは事実上、無制限とされている。応用例としては、ノートパソコンのハードディスクの代わりにMRAMを採用し、稼働時間延長、小型化を図ることなどが予想されている。
出荷したのは、記憶容量が4メガビットのチップ。価格が25ドルで、非常に高く、普及までには時間がかかりそうだ。フリースケールは米モトローラから分離・独立した半導体メーカー。日本の東芝やNEC、ルネサス・テクノロジもMRAMの開発に取り組んでいるが、先を越された格好だ。【南 優人/Infostand】
米Freescale Semiconductor
http://www.freescale.com/