Google、検索アプライアンスにDellのサーバを採用

米国Googleは、2006年後半から同社の検索アプライアンス「Google Search Appliance」に米国Dellのサーバを採用する計画だ。Google Search Applianceのハードウェア情報の公開を控えていたGoogleが今週になって明らかにしたもの。

 アナリストによれば、今回の契約は両社が2週間前に取り決めた合意に基づくもので、ここにきてGoogle Search Applianceの技術が成熟しつつあることによって成立したとしている。

 Google Search Applianceは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせた企業向けの検索アプライアンス。Googleは、現行のアプライアンスがインテルのチップおよび商用部品を利用していることは発表していたものの、その他のハードウェアに関する詳細は秘匿してきた。

 Googleが既製品のサーバを採用した背景には、Google Search Applianceが進化を遂げたという事実がある。米国IDCのアナリスト、ナサニエル・マルティネス氏は、「Google Search Applianceが標準化されたサーバ技術を利用できるところまで成長したということだろう」と述べた。

 今回の契約は、Dellが今年5月下旬に、今後提供するPCに「Google Desktop Search」と「Google Toolbar」をインストールし、Googleの検索エンジンとホームページをデフォルト設定にすると発表したこととも関連している。それまでDellは、マイクロソフトの同様の機能をデフォルト設定していた。米国バートン・グループのアナリスト、ガイ・クリース氏は、こうした提携の一環としてDellが一定数のサーバを購入するようGoogleに持ちかけたのではないかと推測している。

 一部のユーザーは、Google Search ApplianceにDellのサーバが採用されたことを歓迎している。「Dellは信頼できるベンダーなので、安心して利用できると思う」と話すのは、建築資材および用具の販売サイトを運営する米国ツールフェッチ・ドットコムのCEO、アンドリュー・ブラウン氏だ。「Google Mini」を利用している同社では、PCとサーバをDell製品で統一しているという。なお、Google MiniもGoogleの検索アプライアンスで、30万件以内のドキュメントの検索をサポートしている。

 Dellの売上げと市場シェアは近年下落しているが、そうした低迷から脱出しようと、同社はPCおよびサーバ製品ラインを刷新してきた。最近では、一部のサーバにAMDのプロセッサを搭載すると発表し、業界の観測筋を驚かせた。Dellは従来、全製品にインテル製チップを一律的に採用していたからである。

 Dellの広報を務めるアネット・コンドン氏は、Googleが採用したサーバの具体的な型番については公表しなかったが、Google Search Appliance用のサーバはDell製品で統一される予定だと説明した。

 Gooeleのエンタープライズ部門の売上げは、広告事業収入と比べれば大きくはないが、Google Search Applianceのユーザーは4月時点で3,000社に達している。「Googleはほとんどのエンタープライズ検索ベンダーを打ち負かした」とクリース氏は分析している。同氏によると、たいていの検索ベンダーは500社もユーザーを獲得できれば大成功と考えているそうだ。

 Googleのエンタープライズ部門は現在、急速な発展を遂げている。同社の今年4月の発表によると、企業向けの「Gmail」および「Google Earth」のサービス収入を含む2005年の同部門の売上げは、前年比100%という成長を見せたという。

(ナンシー・ゴーリング/IDG News Service ダブリン支局)

米Google:http://www.google.com/
米Dell:http://www.dell.com/

提供:Computerworld.jp