Windows上のLinux――Microsoft社の思惑は?

最近、Microsoft社から接触があって、就職の面接に誘われた――と、あるLinux開発者が、匿名という条件付きでNewsForgeに語ってくれた。その人は誘いに応じ、面接の席上で、当然の質問をした。Microsoft社は、なぜ、Linuxに強い人間を雇おうとしているのか。返ってきた答えは、エミュレータだったそうだ。ユーザがWindows上でUnixを動作させるためのエミュレータ……。

だが、 その目的に適うエミュレータなら、Microsoft社はすでに持っているではないか。いったい、同社のデスクトップ製品やサーバ製品でLinuxをどうしようというのか。この独占企業の考えていることは、いまひとつ明確でない。昨年初頭には、Connectix社からVirtual PCを買収してもいる。

当時、Connectix Virtual PCにはMac版とWindows版があり、どちらも幾通りかのオペレーティングシステムをサポートしていた。

すでにVirtual PCを使っていたAppleユーザからは、Microsoft社による買収がこの製品の終焉を意味するのではないか――少なくとも、Mac上でLinuxやその他の非Windowsプラットフォームを動作させられなくなるのではないか――と恐れる声が上がった。この声は、昨年2月末にThe Mac Observerでも報告されていて、記事の一部に「Microsoft社Macintosh事業部でマーケティングとビジネス開発を担当しているTim McDonoughは、『Microsoft社には、現在、Mac用Virtual PC内部でのLinuxサポートを取り止める計画はない』と明言している」というくだりがある。

Virtual PCのMicrosoftバージョンは、昨年11月にリリースされた。ただ、その直前にMicrosoft社が発表した声明は、上記とはいささか異なる方向を目指しているように思われる。eWeekのSteven J. Vaughan-Nicholsが報告しているところでは、「Intel上のBSD Unix、Linux、NetWare、Solarisに対する公式サポートが、新バージョンではもはや提供されない」と聞いたらしい。

もともとMicrosoft社による買収にはごうごうたる非難があった。そこへこれだから、元Connectix社ユーザからの騒音は大きくなる一方である。Microsoft社としても放っておけず、1週間後、Virtual PC担当の製品マネージャ、Carla Huffmanが出てきて、「この技術のもとでは、ほぼすべてのx86オペレーティングシステムがVirtual PC環境で動作できる」とeWeekのPeter Galliに語っている。さらに、「当然、LinuxもVirtual PC上の仮想マシンにインストールできる。多少の誤解があるようだが、Virtual PCではLinuxを実行できることを明言しておきたい」とも言っている。もちろん、Huffmanが明言したがっているのは、Microsoft社はそれらのオペレーティングシステムのサポートを取り止めただけで、動作できなくしたのではない、ということである。

ただ、LinuxとUnixのエミュレーションについて、Microsoft社がどのような将来計画を温めているかは、依然、不明であり、Huffmanも何も言っていない。エミュレーションは、Virtual PCによって提供されるのか、それとも、あの悪名高い「ブラウザビッツ」とともにカーネルに組み込まれるのか。Galliはこう書いている。

Microsoft社は、仮想技術をWindowsカーネルに組み込もうとしているのだろうか。その質問に対し、Huffmanは直接的な答えを避け、「Microsoft社は、Windowsプラットフォームにおける仮想化ソリューションの開発に取り組んでいる」と述べるにとどめた。「今後、そのソリューションをどう提供するかを言うのは、時期尚早」だそうである。

というわけで、最初の疑問に戻ってくる。Microsoft社はなぜLinux開発者を雇おうとしているのだろうか。Virtual PC製品に必要なのか、Longhornに必要なのか。私はMicrosoft社の広報部門(実際は、Waggoner Edstrom社の迅速応答班がMicrosoft社の広報を担当している)に接触し、開発者問題をぶつけてみた。

最初に返ってきた答えは、「同僚に確認したところ、現時点で、Linuxへの移植計画はない」というものだった。これは私の質問への答えとしては的外れである。そこで、再度質問したところ、2つ目の回答は実に明確で、「残念ながら、ご質問についてこれ以上コメントすることはできない」だった。

こうして、結局わからずじまいである。ぜひ、読者にご協力をいただきたい。Linux開発者で、最近Microsoft社から就職の誘いを受けたという方はいないだろうか。いたら、ぜひ連絡をお願いしたい。いっしょに頭をひねれば、情報をつなぎ合わせて、答えに至れるかもしれない。