SCO、エンドユーザにも法的責任が及ぶと警告

米SCO Group(SCO)は5月14日、自社のLinux製品の販売を停止し、 Linuxは未許可のUNIX派生物であるとして、不正使用の法的責任が エンドユーザにおよぶ可能性があると警告を出した。

現在SCOは、IBMがUNIXを不正利用し、Linuxに取り込んだとして10億 ドルの損害賠償を求める訴訟を起こしているが、今回の警告は LinuxカーネルにUNIXソフトウェアコードが違法にコピーされている というSCO側の主張をさらに進めたものと言える。さらにSCOは、世界の 大手企業1,500社に対して、Linuxの不正使用に対して料金を請求する可能性を 示唆した書簡を送付したことを明らかにした。

同日、SCOは、2003年第2四半期の決算を発表し、2100万ドルの売上で 400万ドルの純益と初めての黒字を報告した。2月の段階での第2四半期 予測は、売上は2300万ドル〜2500万ドルであり、そのうちOS製品販売が 1300万ドル〜1500万ドルを売上としていた。つまり、売上を落としたにも 関わらず、利益を報告したことになる。これは、OS製品販売は1280万ドル の売上と多少予測に届かない水準で推移したが、UNIXの知的財産から 収益を得るためのライセンス・ビジネス部門である「SCOsource」から、 820万ドルの売上を計上したことが大きいと見られる。

今後SCOは、SCOxと呼ばれるWebサービス・フレームワークにビジネスを シフトすると発表しているが、むしろさらにSCOsourceにおけるUNIX知的財産 ビジネスに傾倒する可能性がある。

Gartnerを含め多くのアナリストが、SCOの動きは身売り先を探すため という考えを表明しているが、IBMが買収する可能性は低いと見られている。

14日の発表を受け、3.50ドル前後だった株価(NASDAQ:SCOX)は、週末の2日間 で4.75ドルにまで高騰している。IBMへの訴訟を発表する前は、2ドル前後を 推移していた。